連覇を狙う桐蔭学園(神奈川)が、前回大会準優勝の御所実(奈良)と対戦して8トライを奪い50-7と完勝した。4強入りを果たし、2連覇まであと2勝とした。

前回大会決勝(23-14)と同じ顔合わせとなった一戦は、桐蔭学園が立ち上がりから主導権を握った。前半8分、ロックの小椋健介(2年)が中央に先制トライ。同11分には御所実のお株を奪うモールで押し込み、最後はフランカーの粟飯原謙(3年)が押し込んだ。

NO8佐藤健次主将(3年)は「モールの中でもよくコミュニケーションが取れていたことが、トライにつながった」。前半25分には自陣左中間から大きく前進し、FB矢崎由高(1年)のトライをアシストするなど好プレーを連発した。

26-7で折り返した後半も、桐蔭学園の勢いは衰えなかった。4トライを積み重ねて50-7と完勝。藤原秀之監督は「自分たちでボールを持つ時間帯を作りたいと選手たちから提案があった。ボールを積極的に動かせてプラン通りの戦いだった」と振り返った。

前日のミーティングでは、御所実の脅威を必要以上に感じる選手もいた。関東勢では2回戦で国学院栃木(栃木)、3回戦で東海大相模(関東ブロック)が苦杯をなめた。相手の伝統のモールをどれだけしのぎ、攻めの姿勢を最後まで徹底できるか。「(モールは)FW陣で死ぬ気で止めようと意識を共有していた」と準備をしてきたと語る佐藤主将。我慢比べを制し、相手に流れを渡さなかった。

試合を重ねるごとに、チームの完成度は上がっている。2連覇まであと2勝に迫ったが、チームに気負いはない。指揮官は「1試合でも多くできることが、選手にとって楽しみなことなので。しっかりケアをして(準決勝の)5日に向けて準備したい」と次を見据えた。【平山連】