天理大の初優勝は、関西勢の悲願だった。岡仁詩監督(故人)率いる同志社が84年度に3連覇して以降、関西の大学は「打倒関東」を合言葉にしてきたが、勝てない暗黒時代が続いた。坂田好弘監督の大体大、大西健監督が率いた京産大も何度も関東の壁に屈してきた。

この日、京都市内の自宅でテレビ観戦した京産大の大西前監督は「関西の代表として天理が戦ってくれた。心からうれしい。我々もまた、闘志がわいてきました。この優勝は、関西の大学の希望につながる」と話した。

試合終了後には、天理大の小松監督に「おめでとう。関西の誇りです」という内容のメールを送った。すぐに小松監督から電話があり「関西の大学でも勝てます!」と力強い言葉をもらったという。大西前監督は「コロナの集団感染もあり、彼(小松監督)は苦労をしたと思う。先を越されたという思いよりも、彼らの努力が実ったことが感動しました」としみじみと語っていた。