オーストラリアに衝撃が走った。テニスの全豪オープン前哨戦が開催されているメルボルンがあるビクトリア州のアンドリュース首相は3日、会見を開催。選手や関係者が宿泊しているメルボルンのホテルで、従業員1人が新型コロナウイルスで陽性となったため、選手や役員ら約500人が隔離されることを発表した。これにより、オーストラリア・テニス協会は、4日の試合を、すべて中止とした。選手らは、検査で陰性が確認されれば隔離を解除される。

4日には、女子では世界3位の大坂なおみ(23=日清食品)の準々決勝、男子では国別対抗戦ATPカップで錦織圭(31=日清食品)がNO・1を務める日本がアルゼンチンと対戦する予定だった。

オーストラリアは、昨年3月から、原則、外国からの入国を禁止している。今回のテニスの選手や関係者の入国は特例中の特例で、世界の各国から大会がチャーター便を手配。搭乗前48時間以内にPCR検査で陰性になった選手らしか飛行機に乗れず。それでもオーストラリア入りしてから9人の陽性者が判明した。

そのため、同じ飛行機に同乗していた錦織やダニエル太郎らは濃厚接触者となり、2週間、部屋から廊下に1歩も出られない完全隔離となった。当初の予定では、到着で検査が陰性であれば、2日目から1日2時間の練習を含む5時間の外出が許されるはずだった。

アンドリュース首相は、全豪には影響がないとしている。しかし、選手らから再び多くの感染者が出ないとも限らない。オーストラリアが国を閉じて以来、初めて行った大規模の国際イベントは、先行きに暗雲が垂れこめている。