フィギュアスケートの世界選手権は24日、スウェーデンのストックホルムで開幕する。今大会は外部との接触を遮断する「バブル」で運営され、無観客開催。今季の国内大会は一部無観客で行われていたが、20年12月の全日本選手権(長野)は有観客となっていた。

全日本選手権のみに出場し、今季2戦目となる男子の羽生結弦(26=ANA)、宇野昌磨(23)、女子の紀平梨花(18=ともにトヨタ自動車)らは初めて無観客の舞台に立つ。開幕前のオンライン取材で各選手はさまざまな反応を見せた。

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◆初めて経験する選手

宇野昌磨(男子) 本番もこのまま観客が入らない。全日本(選手権)の時に僕はショート(プログラム)でとても緊張している中で、皆さんの拍手だったり、声援で後押しされ、1つ目のジャンプが間違いなく成功できたんじゃないかなと思っています。そういった支えがない中で必要になってくるのは、試合で燃え上がる気持ちよりも、練習に近い試合になるのかなと思うので「冷静にいくことも大事なのかな」とか、考えたりしていますが、「試合になってみたらなるようになる」と思っています。

紀平梨花(女子) 小さい頃の試合でお客さんがほとんどいないのはあったんですが、完全な無観客はないです。結構(国をまたぐ移動後に)隔離で練習をしてきたので、1人で滑ることは慣れている。選考会とかは緊張するタイプなので、もっと緊張するかもしれない。今回お客さんがいないっていうことで、すごく感覚が違う感じがするけれど、自分を不安に思いすぎず、気合を入れすぎず、気楽に、楽しみながらやりたいです。

◆過去に経験がある選手

鍵山優真(男子、17=星槎国際高横浜) すごく大きい会場なので、お客さんを想像しながら(大会前の)練習をしたんですけれど、いなくても、すごいやる気や、テンションが上がって、いい練習になったんじゃないかなと思います。

小松原美里(アイスダンス、28=倉敷FSC) もちろん、皆様の顔が見えないのは少し寂しいですが、安全性を保てている面と、皆様の健康が危険にさらされないということで、いい選択だったと思います。テレビの向こうの皆様に届くぐらいの演技ができればと思います。

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直接「無観客」に対する考えではなかったが、他の代表選手も遠く日本のファンについて思いを込めた。

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羽生結弦(男子) 僕なりの世の中に対してメッセージがあるものに(演目が)できたなと思いますけど、それよりもまず、自分がしっかり納得できる演技をすることが大前提だと思うので。今の自分の体と会話しながら、整えながら、最終的にそこまでたどり着いてこそ、皆さんに何か伝わる演技だと思うので、しっかりやっていきたいです。

坂本花織(女子、20=シスメックス) 自分の演技を見てちょっとでも「元気になれた」とか「これからも頑張ろう」って思ってもらえるように、そういうパワーを、画面越しでも分かるように演技したいなって思っています。

宮原知子(女子、22=関大) 自分がこの試合で演技をすることで、見てくださった皆様が少しでも元気をもらってくれればうれしいと思うので、そういう演技ができるように精いっぱい頑張りたいと思います。

三浦璃来(ペア、19=木下グループ) 1年間本当に試合がなかったので、その間の成長を皆様に見てもらえるように頑張ります。

木原龍一(ペア、28=木下グループ) 1年間、僕たちはなかなか試合に出場できずに、日本の皆さんの前で演技することがほとんどできなかった。1年間の成長、「去年からあんなに伸びたんだ」っていうのを、しっかり見せたいと思っているので、見ていただければ本当にうれしいです。

小松原尊(アイスダンス、29=倉敷FSC) とても難しい年だった、みんなにとって。私たちは私たちだけで頑張ったのではない。いい結果を持って帰りたいです。