初出場の三浦璃来(19)、木原龍一(28=ともに木下グループ)組が躍動した。64・37点をマークし、8位と上位につけた。

冒頭の3回転のツイストリフトを決めると勢いに乗った。木原が「とにかく(1年間以上)試合がなく、試合をさせてくれてありがとうございます。ミスとか成功とか忘れて滑れることを楽しもうと」と心掛けた滑りは、はつらつさと楽しさに満ちた。スピンコンビネーションでもレベル4を獲得するなど、試合勘での不安も吹き飛ぶような、納得の出来となった。

2人はカナダが練習拠点。コロナ禍の影響も大きかった。木原は「帰国も考えたが、いったん帰るとコーチのもとで練習できなくなる。つらい選択でしたが、トロントで練習をする毎日でした」と振り返る。昨年4月から2カ月間は氷上練習ができず、インラインスケートを購入して感覚を保つように心掛けたという。6月の再開後も練習時間に制限がある中で、コツコツと練習を重ねてきた。

昨年12月の全日本選手権(長野)は出入国が難しいため、ペア競技が実施されなかった。その分、今回に懸ける思いは強かった。22年北京五輪の枠取り(16枠)もかかる大一番で、奮闘した。