24日に53歳で亡くなった92年バルセロナ・オリンピック(五輪)柔道男子71キロ級金メダルの古賀稔彦さんをめぐって、フランス各地でも報道された。

柔道専門雑誌(週刊)のレスプリ・デュ・ジュウドウ(柔道の精神)は25日、公式サイトで「20世紀末の偉大な柔道家の1人で、バルセロナオリンピック金メダリスト(男子71キロ級)、ジャメル・ブーラに敗れたアトランタ・オリンピック銀メダリスト(男子78キロ級)、世界トリプルチャンピオン(1989、1991、1995年)が昨夜亡くなった」と報じた。

同誌はさらに、「トシヒコ・コガのアドバイス」とのタイトルで、古賀さんの過去のインタビューを一部掲載。古賀さんからのアドバイスをまとめた。

その中で、古賀さんは「強くなるための3つのアドバイス」に言及。「柔道の基礎を大いにトレーニングして、入念に美しさを表現し、勝つことよりもむしろ練習でそれを求めること」「一本にしか興味を持たないこと。技術的完全のこの要求が自分を強くできる」「他人に対する感謝の心を持ち続けること」などと、心身ともに鍛錬することを求めた。

また、25日のフランス紙レキップ(スポーツ専門紙)は「レジェンドが逝去した」との見出しで「1992年オリンピック金メダリストで、トリプル世界チャンピオンの名高き日本人トシヒコ・コガが昨日亡くなった」と報じた。

同紙には、96年アトランタ五輪の78キロ級決勝戦で、古賀さんを破ったジャメル・ブーラ氏のコメントを掲載。同氏は「なんと悲しいことだ! 彼(古賀さん)が病気だったことすら知らなかった」「コガはレジェンドだ。例外的な柔道家。日本のあらゆる賢明さを持ち合わせた怪物だ。もし移動できたなら、彼の名誉をたたえるために日本に直行していただろう」などとしのんだ。

ほかにも、ル・ドフィネ・リベレ電子版(地方紙)は古賀さんを「一本背負い投げのスペシャリスト」、ル・プログレ紙電子版(地方紙)は「柔道界の象徴的人物の1人」とし、ラ・トリブュヌ誌電子版(経済専門誌)なども五輪金メダリスト柔道家の訃報を伝えた。(松本愛香通信員)