女子100メートルバタフライ決勝は、西沢七海(盛岡南3年)が、1分0秒00の自己ベストで5位入賞を決めた。最後まであきらめない泳ぎでゴール。東日本大震災で被災した出身地・釜石市に元気を届けた。

西沢が東北大会2冠女王の意地を見せた。予選6位で初の決勝進出。7レーンから積極的に飛ばし、1分ジャストでゴール。自己記録を更新した。3位とは100分の38秒差。表彰台に届かなかった西沢は「1分を切ることが目標だったので、ちょっと悔しい。でも近づけたかな」と振り返った。

悔しさを力に変えた。18日の200メートル予選は、自己ベストに3秒以上も及ばない記録で、出場した39人中36位に終わった。「全国で初めての200メートルだったので緊張して引いてしまった」と消極的なレースを反省。この日は、前半50メートルの自己最高ラップを更新する28秒22をマーク。「後半のことは考えないで前半から飛ばしました。後半も粘り切ることができました」と自己評価した。

釜石小1年時に東日本大震災で自宅が被災。津波が床上まで浸水し、自宅を再建した。釜石中卒業後は盛岡南に進学。両親は盛岡市内にアパートを借り、職場のある釜石に通いながら、高校生活を支えてくれている。

大震災から10年。西沢は「ここまで来るのにいろいろな方々に支えられてきたので、少しでも元気にできれば」と、競泳に取り組んできた。課題は後半のフォームの乱れと持久力強化。来春、大学に進学予定の西沢は「最後まで泳ぎ切るスタミナと、疲れてもフォームが崩れない体幹を強くしたい。インカレでも決勝で泳ぎたい」と全国大会のファイナリスト定着を目標に掲げた。【佐々木雄高】

◆女子200メートル背泳ぎ 18日の100メートルで優勝した長岡愛海(あいみ、山形商1年)は、まさかのB決勝6位に沈んだ。自己ベストに3秒近くも及ばない泳ぎで予選11位通過。B決勝ではさらにタイムを落とし、「後半の持久力が足りず、ペース(ラップ)を刻むことができなかった。もっとコンスタントにタイムを出せるようにしたい」と涙ながらに雪辱を誓った。