東京オリンピック(五輪)6位の板橋美波(21)荒井祭里(20=ともにJSS宝塚)組が、東京五輪の291・42点を上回る298・68点を出した。

東京五輪では4本目を終えてメダル圏内の3位につけた。日本飛び込み界悲願の五輪初メダルが目の前にあった。最終の5本目は高難度の「5253B(後ろ宙返り2回半1回半ひねりえび型)」。夢をかけたラストダイブは2人の体が動きすぎて回転がオーバー。6位に沈んでメダルはするりと手からこぼれ落ちた。

あの失意から約2カ月をへて、再スタートを切った。板橋は「(五輪の)ラストで失敗したのがリオ五輪からの5年間のすべて。どう生かせるか。探しても答えは出ないですが、今日は自分ができることをやりました」と神妙に話した。荒井は「(五輪を)振り返りたいが、振り返れない。思い出したくないというのが自分にはある。でも今からちゃんと振り返って、とにかく練習しかないと思うが、演技だけじゃなくて、板橋さんと心も一緒に頑張りたい」と言葉を搾り出していた。【益田一弘】