17年ユニバーシアード・アルマトイ大会(カザフスタン)銀メダリストの新田谷凜(24=中京大)が、今季限りで引退することを表明した。

全日本選手権につながるブロック大会に出場後、オンライン報道対応の中で「今の時点では今季が最後。(満足いく演技が)できなくなって引退するのではなく、惜しまれつつ引退できれば。まだ(実力を)上げていけるのは、この1年が最後かなと。スケートを終えた後の人生も考えながら今は競技を続けていて、今季がラストの気持ちです」と明言した。

ユニバーシアードではロシアのトゥクタミシェワを上回る2位。充実の大学生活を終え、卒業するタイミングとなる19-20年シーズンにも1度は引退を表明していた。ところが、この中部選手権で優勝するなど最終学年でも進化を続け、勝ち上がった全日本選手権では過去最高の7位。スケート靴を脱ぐと決めながら手応えだけが強くなる中、右足を骨折してインカレで有終の美を飾れなかったことで、現役復帰を決めた。

翌20-21年シーズンは日本スケート連盟の強化選手に選ばれ、全日本選手権ではフリーの最終グループも経験。今季も現役を続けたが、一方で第2の人生を歩むため氷の外では動いていた。「全然スケートとは関係ない就職活動をしていました。無事に終わったので、スケートをやめた後にどうするか決まったので、というか決めたので」。まだ内定式は先のため公にはできないが、就職先の決定と同時に今季限りの引退も決まった。

その中で迎える正真正銘のラストシーズン。22年北京オリンピック(五輪)について「4年に1度で、今まで以上に大事な全日本になると思います」と、口にはした。この日も、首位で出た松生理乃(16=中京大中京高)の69・48点に次ぐ62・20で2位と好発進してみせた。ただ「私としては選考に関わるとか考えてないですし、五輪争いに関わっているとは思ってないですね」と無心を強調する。「心に残る演技をすることが目標です」。すべてが「現役最後」となる今後の大会で、納得いく演技を積み重ねていく。その先は、その時に考える。【木下淳】