女子ショートプログラム(SP)4位の坂本花織(21=シスメックス)が、日本勢最高の4位に食い込んだ。フリー3位の144・77点を記録し、合計215・93点で表彰台まで1・04点。苦戦してきた今季の新フリーで、2大会連続五輪への自信をつかんだ。ロシアの17歳トルソワが優勝し、宮原知子(木下グループ)が7位、横井ゆは菜(中京大)が11位。アイスダンスでは夫婦の小松原美里、尊組(倉敷FSC)が6位となった。

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米国のファンの拍手に包まれ、坂本が跳びはねながらリンクを出た。10月は毎週試合をこなし、今大会までの4連戦。中国から帰国翌日に米国へと飛ぶ、過密日程だった。「もう、しんどいのはないんですけど、どっかネジが外れてるんじゃないかな。笑うとこじゃないのに勝手に笑ったり。バグが起こり始めてる」。好演技後で自然と声が弾んだ。

今季まだノーミスがない新フリー「No More Fight Left In Me/Tris」は海外ドキュメンタリー映画の音楽。冒頭のダブルアクセル(2回転半)を成功させると、最終盤の3回転ループまで全てを着氷させた。中野園子コーチに「よくやったー!」と頭をたたかれ「すごくうれしい。75点!」と自己採点した。

SP5位から3位に食い込んだ、韓国の17歳劉永(ユ・ヨン)との差はトリプルアクセル(3回転半)の有無。坂本も挑戦中だが「大技に勝つには安定感が大事」と細部に目を向ける。最後のスピンはレベル2(最高は4)となり「伸びしろがある。次までに伸ばしたい」。第4戦NHK杯(11月12~14日、東京・代々木第1体育館)、その先の22年北京五輪へ、本領発揮はこれからだ。【木下淳】