女子で2連覇した坂本花織(21=シスメックス)が一夜明け、じわーっと優勝を実感した。報道陣のオンライン取材に応じ「去年は日本人だけだったので、あんまり…」と笑い「今回はGPで優勝したっていう実感がある。シニアに上がって4大陸(選手権)以来(の優勝)。自分で君が代を流したことがうれしくて、じわーっときました」と振り返った。

トリプルアクセル(3回転半)や4回転など高難度ジャンプを跳ぶ選手が増えている女子。その中で「大技がない分、完成度を」と繰り返してきた。迎えた2度目のオリンピック(五輪)シーズン。6位に入賞した平昌大会に続く2大会連続へ。ジャンプについて、どう考えているのか。

「トリプルのルッツまでクリーンに降りられないと点数も下がるし、リスクも大きい。けがをしてしまうことも怖かった。今年は安定した演技をしないといけない。夏の時点で跳べていないことから考えると今季も、今までみたいに自分のできることをやるべきだなと思って決めました」と回避した理由を説明した。

幼いころから高め合ってきた三原舞依(22=シスメックス)もGPシリーズに参戦中。坂本は第1戦スケートアメリカ4位、第4戦NHK杯で優勝して女子のGPファイナル進出を一番乗りで決めた。一方の三原は第2戦スケートカナダで4位、第3戦イタリア大会でも4位。スコアも210点台と好位置につける。

「身近に、一緒に戦える仲間がいることは心強い」と言い、ともに出場した10月の北京五輪テスト大会アジアンオープントロフィー(中国)以降は会えていないという。「どっちかが海外に行って、どっちかが隔離で、とキレイに分かれちゃって(笑い)。でも。お互いの結果を知って『頑張っているから私も頑張ろう』という気持ちになれているんじゃないかな」と、これからも高め合っていく。