前週のオーストリア杯からの連戦となった樋口新葉(明大)は63・87点で6位発進となった。

冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)が抜けて1回転半になったが、それ以降のジャンプ、スピン、ステップシークエンスなどは、時には歌うような表情も印象的に滑りきった。

79・73点の自己記録を出した前週では成功していた3回転半。「朝の練習では真っすぐに入っていけて、跳び上がる時も真っすぐ回れたんですけど、6分間(練習)では中に入ってしまうイメージが出て失敗してしまった」と冷静に分析した。失敗の可能性も受け入れていたとし、その後の演技に響かせなかったのは精神面の強さを感じさせた。

「挽回する自信より、しないといけない。滑り終わった直後から頑張らないと」。フィニッシュ後には一切うなだれる姿はなかった。全身から気迫を感じさせ、フリーを見据えていた。