女子日本代表で18年平昌オリンピック(五輪)女子銅メダルのロコ・ソラーレが、来年の北京五輪出場を決めた。プレーオフで韓国に8-5で勝利。チームとしては2大会連続、日本女子としては98年長野五輪から7大会連続の出場となった。

【ロコ・ソラーレ】北京五輪決めた!「メガネ先輩」韓国に勝利/ライブ詳細>

3点リードの後攻で迎えた第10エンド(E)、スキップ藤沢が相手のストーンを外に打ち出し、最後の1投を残して勝負を決めると、ロコ・ソラーレの選手たちが抱き合って喜んだ。藤沢は「昨日のトルコ戦は弱気になって負けた。今日は気持ちだけは負けなかった」とうなずいた。

勝てば五輪出場決定となる前日の1次リーグ最終戦のトルコ戦で、格下相手に足もとをすくわれた。3位通過でプレーオフに回り、「メガネ先輩」こと金ウンジョンがスキップを務める強敵韓国と再戦。平昌五輪では決勝進出を阻まれた相手を、1次リーグに続いてプレーオフでも下した。

3-3の第5Eにピンチを迎えたが、藤沢の最終投は起死回生のテークショットとなって5-3とリード。これで勢いづくと、第7Eでは不利な先攻で2点を奪い、第8Eでも1点をスチールした。

18年平昌五輪では、日本カーリング界初のメダルを獲得。試合中に交わす「そだねー」という素朴な言葉は新語・流行語大賞となるなど脚光を浴びた。知名度が大きく向上した中で、サードの吉田知は「次の五輪出場を逃してしまったらどうしよう」という思いが絶えず心の中に存在していたと明かす。9月の北海道銀行との日本代表決定戦前には、あまりの重圧から引退すらよぎったほどで、「私らしさや、私たちらしさをなくしていた時期もあった」。

吹っ切れたのは、日本代表決定戦。2連敗を喫して崖っぷちに立たされ、迷いが晴れた。「カーリング選手として何がしたいか、どういうパフォーマンスをしたか、目的地はどこか。あの2敗で教えてもらった。五輪に行けなかったらどうしようかという思いは今は一切ない」。今大会では相手と戦うのではなく、しっかり氷を読み、自身のパフォーマンスを発揮することに専念した。

スキップの藤沢は「(北海道銀行)フォルティウスのメンバーや、他チームの選手の気持ちをしっかり背負って戦いたい」と、この大会に臨んだ。見事に五輪切符をつかんだあとに、「正直言うと、プレッシャーや緊張感は9月ときのほうがすごかった」。国内でハイレベルの戦いを戦い抜いたことが、五輪最終予選を勝ち抜く要因となった。「オリンピックではもっともっと良いパフォーマンスをしたい」。ライバルでもある仲間たちの思いを胸に、北京でもロコ・ソラーレらしく、最高の笑顔でプレーする。

◆北京五輪最終予選メモ 残り3つの五輪出場枠獲得を目指し、男女各9チームが出場。総当たり方式で16日まで1次リーグを実施し、まずは1位が出場権を獲得。女子はまずスコットランドが五輪出場を決め、17日に2位韓国と3位日本が対戦し、勝った日本が2枚目の切符を手にした。負けた韓国は最後の1枚の切符を懸けて、18日に4位ラトビアと対戦する。