今夏のインターハイ準Vの帝京長岡は小林に87-68で勝ち、3年ぶり4度目の4強入りを決めた。

【男子トーナメント】ウインターカップ2021 男子トーナメント>

持ち味の粘っこいディフェンスからリズムを作り、脚力の“エンジン”が温まると第3クオーター(Q)に一気に突き放した。Cコネ・ボウゴウジィ・ディット・ハメード(2年)が30得点、30リバウンドで奮闘した。第1Q18-19からの逆転で、今大会最少失点。28日、初の決勝進出を懸け、準決勝に臨む。

献身的な守りでゲームの流れを引き寄せた。相手のスピードある走りを止め、試合の主導権を握った。立ち上がりは外角のロングシュートがほとんど“不発弾”だったが、インサイドには「ゴール下の守護神」コネがいた。18-19で迎えた第2Qは、連続9得点でチームを鼓舞。留学生エースが決め、チームにギアが入った。第3Q終了時点で70-48と一気に突き放した。

お家芸、粘っこいディフェンスが勝利のキーポイントになった。中学時代から名の通った選手がいないチームの命綱が泥くさい守備だ。205センチのマリ人留学生コネらを除く日本人選手の先発平均身長は177・3センチ。サイズのない不利な条件を補ってきたのが、止まらない足と当たりに強い体だった。柴田監督は「フィジカル面の強さがなければ、単なる小さなチーム」と言う。30得点、30リバウンドのコネは「全員で声を出して全員がディフェンス、頑張りました」と話した。

40分間走りきるスタミナを普段のトレーニングで培った。しつこいディフェンスを生む脚力の強化に1時間費やすこともザラだった。メンバーを前に1人抱え、さらに1人背負ってダッシュするメニューもあった。「出来ないことより、出来ることをやろうと突き詰めてきた」と柴田監督。それが伝統のディフェンスだった。

学校の所在地・新潟県長岡市はBリーグの新潟が本拠地を置いたのを契機に「バスケによるまちづくり」を推進している。ひと足先に長岡高専が11月の全国高専大会(宮城)で優勝。「僕らも頑張ってバスケットの街で功績を残したい」と柴田監督。あと2勝で長岡高専の全国制覇に続く。【涌井幹雄】

◆テレビ放送 男子決勝は12月29日午後1時からテレビ朝日系地上波で、女子決勝は12月28日正午からBS朝日でともに生放送。