今夏のインターハイ準優勝の帝京長岡は福岡第一に67-61で勝ち、県勢初の決勝進出を決めた。

夏に続く決勝進出で悲願の全国制覇にあと1と迫った。二転三転するシーソーゲームだった。勝利の女神は最後に帝京長岡にほほ笑んだ。第4クオーター(Q)残り1分56秒で61-61の同点となる大接戦から最後は抜け出した。

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電光時計は40・5秒を示して止まっていた。スコアは63-61。相手ボールで再開されたゲームを耐え抜いき、突き放した。逆転し、再逆転される苦しいゲームを勝利に結びつけた。今夏のインターハイで準優勝に悔し涙を流したメンバーは、冬に雪辱できる機会をもぎ取った。

最初から仕掛けた。今大会で初めて先発を代えてきた。SG本間栞汰(3年)を外してPG大月舜(3年)を投入。ツー・ポイントガードでスピードアップを図り、相手のタイトな守備をかわすプラン。大一番を迎えて“カンフル剤”を注入した。そんな措置がメンバーのハートに闘志をともした。コートの5人は40分間、勝利へひとつになっていた。「個々の能力が帝京長岡より、ズバ抜けて高いチームは多いけれどウチのチームプレーはトップ」とSF島倉欧佑(3年)は話していたが、準決勝でその言葉を証明してみせた。 夏以降、チームはマイナスからスタートした。コロナ禍にのみ込まれた。バスケットボール部内に新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生。陽性反応者が16人出て、8月20日から部活動は完全にストップ。9月いっぱい活動停止して、約1カ月半の空白期間を経て再開したのは10月1日からだった。そんな不利な条件を背負いながら夏の成績に並んだ。

ウインターカップの初出場は14年と、まだ高校バスケ界の新興勢力。ところが、すでに4強以上が4度と全国の強豪校のひとつに数えられるようになった。29日の決勝の相手は福岡大大濠。「ベスト4の壁を破れてうれしい。あと1試合。最後の試合。悔いのない試合をしたい」と島倉。チームの新しい扉をこじ開けるつもりだ。【涌井幹雄】

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◆テレビ放送 男子決勝は29日午後1時からテレビ朝日系地上波で生放送。