女王に雪辱を果たし、4度目の日本一に「王手」をかけた。古川学園(宮城)が昨夏の全国高校総体で優勝した下北沢成徳(東京第3代表)を3-1で下し、2年ぶりに決勝進出を決めた。

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レギュラー唯一の3年生エース鈴木玲香が15得点、大黒柱のタピア・アロンドラ(2年)が31得点を挙げ激闘を制した。

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エース鈴木が「日本一」と記された右手で決勝を手繰り寄せた。2-1の第4セット(S)。一進一退の攻防で迎えた終盤にスイッチが入った。「自分がエース。チームが苦しい時は自分が必ず助けないといけない」と、22-22の同点から連続得点。直後に1点差に迫られたが、最後はコート右から力強いスパイクをたたき込み、勝利を決めた。「先輩方の思いを背負って、この日のために頑張ってきたのですごくうれしい」と心の底から喜んだ。

下北沢成徳とはインターハイの準々決勝で対戦。だが、相手のパワフルな攻撃の前にストレート負け。あの一戦を糧に春高に向けて「ずっと強打のレシーブを強化してきた。実際に高いトスから強打を受ける練習をしてきた」。努力の成果が表れ、勢いのあるスパイクに負けずにボールをセッターに返球。高さのある攻撃を展開した。アロンドラは「インターハイで負けてみんなすごく悔しかった。成徳に勝ってとてもうれしい」と笑顔を見せた。

“右手”の結束力がチームの武器となった。準々決勝まで右手に書かれていた言葉は「声」。だが、この日から「日本一」に変わった。「声より自分たちが目標にしている日本一になりたいという思いが強くなったので、日本一にしようと話してチーム全員で決めました」と鈴木。逆境でも右手を見て気持ちを奮い立たせ、心を1つに「全員全力バレー」で戦った。

悲願の日本一へ-。決勝は昨年、準決勝で競り負けた就実(岡山)。「1年間、日本一を取るためにずっと練習してきた。ここで負けたら絶対に悔いが残るので、悔いが残らないように全力で戦いたい」。レギュラー唯一の3年生。最後の春高は悔し涙ではなく、うれし涙で有終の美を飾る。【相沢孔志】

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