ショートプログラム(SP)首位の島田麻央(13=木下アカデミー)が大技のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を着氷させる衝撃的な演技で、国際大会デビュー戦優勝を飾った。

フリー107・75点を記録し、合計160・68点。2位のカナダ選手に32・63点差をつける高得点だった。現在の年齢制限であれば26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪を目指す逸材が、世界にその名を示した。

大きな歓声で出迎えられ、黒の衣装で登場した島田がその才能を見せつけた。冒頭で3回転半を着氷。クオーター着氷(4分の1回転不足および同未満)の判定となり、出来栄え点(GOE)でわずか1・07点の減点となったが、以降は質の高いジャンプを決めていった。ルッツ-トーループの連続3回転、3回転フリップ、3回転ループ、2回転半-3回転トーループ-2回転トーループ、3回転ルッツと全てを加点付きで降りきった。異次元の完成度を見せても、少しほほ笑むだけで、同行する浜田美栄コーチの祝福を受けた。

今季はノービスA(6月30日時点で満11~12歳)ながら、1つ上のカテゴリーとなる全日本ジュニア選手権で優勝。ノービス年代の優勝は94年の荒川静香(当時中1)以来、27年ぶりの快挙だった。今大会は国際スケート連盟(ISU)のノービス規定で4回転ジャンプが禁止されていたが、国内では日本女子唯一の4回転トーループ成功者となっている。

7月から始まる来季はジュニアとなる。母の歩さんが浅田真央さんのファンで「麻央」と名付けられた新中学2年生。13歳の進化が止まらない。