この試合を最後に現役を退く2人のマッチアップは、延長に突入したことで実現した。コートに入った三好南穂(28=トヨタ自動車)が、相手チームの篠崎澪(30=富士通)に声をかけた。

「最後だからマッチアップして、ガチな1対1やりませんか」

スピードと技を駆使して一方が相手を抜き去ろうとすれば、もう一方は食らいつく。一方がシュートを放てば、もう一方も打ち返す。両者の熱い最後のバトルに、満員の観衆が酔いしれた。

20得点で最優秀選手賞を獲得の三好は「お互い本気でやって、ああいうプレーができたことは、自分でも胸が熱くなった」と感慨深い口ぶりで振り返った。

5人制のみならず3人制日本代表でも長い時間を共有してきた2人。優秀選手賞の篠崎も「最後に一緒に本気でマッチアップできたことは思い出になるし、楽しかった」と実感を込めた。

今後については三好は「まだはっきり決まっていないが、子どもたちのクリニック(バスケ教室)には積極的に関わっていきたい」と話し、篠崎は「会社で社業をやらせていただく予定。OLです」と笑顔で明かした。