初出場の島根スサノオマジック(西地区2位)がホームでアルバルク東京(東地区3位)を80-62で下し、通算2勝1敗で初の4強入りを決めた。

島根は主将の安藤誓哉が気迫あふれるプレーでけん引し、立ち上がりは優位に立った。底力のあるA東京の反撃を受けながらも、一進一退の攻防が展開し、41-37で前半を折り返した。

後半も接戦となったが、第3クオーター(Q)終盤、同点からトラビスが3点シュートを3連続で決めて64-55と突き放し、流れを一気に引き寄せた。

この試合のMVPに選ばれた安藤はコート上のインタビューで、「皆さんもきのう眠れなかったと思うが、僕も疲れていたけれど、なかなか眠れなかった。でも、きょう皆さんが会場を青一色に染めてくれて本当に力になった」と感謝した。

さらに、「きょうの試合でチームがまたひとつ成長できた」と実感を込め、「皆さん、セミファイナルです。なかなかこんなチャンスは回ってこない。みんなでつかみに行きましょう」と呼びかけた。

1度はプロリーグ入りを「落選」したこともある地方チームが、Bリーグ連覇経験を持つ強豪を撃破した。07年に県内初のプロスポーツチームとなるべく、当時のbjリーグ入りを目指したが不合格。その後、地元の機運を高めるために、県内の老若男女がフリースローでつながる「1万本シュートプロジェクト」を実施。10年よりbjリーグに参入した。

Bリーグ加入後も苦戦が続いたが、19年にバンダイナムコエンターテインメント社が親会社となり経営基盤が安定。大型補強に成功した今季は快進撃を続けている。21日からの準決勝では今季西地区1位の琉球に挑む。