“二刀流”で頂点へと押し上げる。

ラグビーの「リーグワン」で初代王者を目指す埼玉パナソニックワイルドナイツ(埼玉)WTBで日本代表候補の竹山晃暉(25)が、大一番での司令塔の役割にも貪欲な姿勢を見せた。

20日、プレーオフ準決勝クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(東京ベイ)戦(22日、東京・秩父宮ラグビー場)のメンバーが発表され、右WTBでの先発が決定。チームは19年W杯日本代表の松田力也(28)を故障で欠き、SOは山沢拓也(27)が先発する。この日、埼玉・熊谷市内で行われた練習ではリーグ終盤戦同様に竹山がSOの位置に入るオプションも確認した。

奈良・御所実高、帝京大で世代を代表する選手だった竹山が、初々しい表情で力を込めた。

「景色が全く違う。難しさはあるけれど、楽しいです」

WTBとしてはリーグトップ(11トライ)に次ぐ10トライ。日本代表候補に選出される存在感を示してきた。一方、SOは高校以降では今季が初挑戦。それもシーズン終盤戦でのプレーとなり「パナソニックの10番として、まだ本物じゃないけれど、いい“味変”になれば。自分で(選択肢から)決めちゃうことが多いけれど、しっかりと耳を澄ませて、情報を聞きたい。準備、頭の整理をしっかりとしたい」と決意を示す。

東京ベイとは今月7日の最終節で対戦し、35-14で勝利。再戦の難しさもあるが「確実に経験値は増えている。相手も自陣ではラグビーをしたくないと思うので、ボールを動かしながらのキックをバックスリー(両WTBとFB)でやっていきたい」と言い切る。ピッチ大外の主戦場はもちろん、中央でも強みを出した先に決勝進出が見える。【松本航】