東京オリンピック(五輪)フェザー級金メダルの入江聖奈(21=日体大)が、ライトウエルター級に出場して優勝。決勝で高橋美南(早大)に5-0の判定勝ちを収め、主将を務める日体大の総合3連覇に貢献した。

入江は試合後、「日体大のためになれたことがうれしい。主将なのでポイント絶対に稼がないといけないと思っていた」と振り返った。チーム事情により、普段よりも2つ上の階級での試合。「腕立て500回」の特訓などを経て臨んで結果を出したとはいえ、「(ライトウエルター級の相手は)骨から違う。自分がこの階級の選手ではないとよく分かった」と苦笑いを浮かべた。

東京五輪での金メダルから1年がたとうとしている。「金メダリストにふさわしい試合をしようとか、結果を出そうとか思っちゃっている部分がある」と、肩書の重さを感じている様子。「金メダリストではなく、いちボクサーとして純粋に闘いたい。今は何か見えを張っている」と自然体で試合に向き合えていない現状を口にした。

大のカエル好きと知られる入江。来春の大学卒業を機に現役を退き、その後はカエルの生態学研究のため大学院進学を目指す意向を示している。11月の全日本選手権(東京・墨田区体育館)が最後の試合となる見込みで、「頑張ってメンタルコントロールして、いちボクサーとして純粋に全日本のリングで楽しめれば。そうしたら笑顔で終われるんじゃないかなと思う」と語った。