ソフトテニス女子個人戦で東北(宮城)の及川咲空、村上茉悠(ともに3年)ペアが「3位入賞」を果たした。高校総体での女子の準決勝進出は宮城県勢としては史上初の快挙。6回戦で2ゲームビハインドから逆転勝ちすると、続く準々決勝ではファイナルゲームまでもつれ込んだ死闘を制した。県総体では準優勝に終わり、チームでは「2番手」という2人が、集大成の夏に破竹の快進撃を演じた。

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及川と村上ペアが金字塔を打ち立てた。達成感に満ちた表情で、2人は、口をそろえる。「びっくりしています。気づけば、準決勝だった。お互いに意識したことはない。目の前の試合に集中できていた」。無欲の快進撃を続け、女子では宮城県勢史上初の全国3位まで一気に駆け上がった。

後衛の及川が鋭いフォアでチャンスメークし、前衛の村上が1発で仕留める。2年の秋からコンビを組み、息はぴったり。最後の夏、完全に仕上がった。6回戦で0-2とリードを許す展開も、4連続でゲームを奪い返しての逆転。続く、準々決勝では和歌山信愛の実力組と一進一退の攻防を繰り広げながらファイナルゲームで競り勝った。及川は「自分たちからのミスが少なかった。試合を放り出さないで、粘り強く戦えたと思います」。東北では8ペア16人が出場し、及川・村上ペアが最後の砦(とりで)だった。応援してくれる仲間の思いも背負って、一振りに込めた。「いつもは応援する立場だった。悔いの残らないように戦いたかった」。

前衛、村上の勝負強さが際だった。ここぞの場面でスマッシュ、ボレーを何度も決める。難しい体勢からでも、お構いなしだった。「インハイ(高校総体)前からスマッシュは練習してきた。自信がついていた」と誇らしげだ。積み重ねた努力の結晶だった。

今日31日は団体戦を迎える。及川は「先のことは考えず、目の前の1戦1戦に集中する」と気持ちを新たにした。3季連続で団体戦では負け知らず。4冠実現へと歩み出す。【佐藤究】