女子7人制ラグビーチームのアザレア・セブンに、ウクライナ人プロップのナタリア・コザチュク(24)が入団した。

ロシアの侵攻を受ける母国を離れ、13日に来日。「腰を据えてラグビーをやりたい」と、人道支援の受け入れ募集に手を挙げた。19日にチームメートと初対面し、26日から練習に参加予定。このほど、日刊スポーツの単独インタビューに応じ、意気込みなどを語った。【聞き手・倉橋徹也】

-ラグビーはいつから

コザチュク 父の影響で10歳からアイスホッケーをやっていました。17歳でラグビーの写真を見る機会があり、興味をもちました。コンタクトスポーツが大好きで、半年後に始めました。5年間は両方プレーし、午前中にアイスホッケー、夜はラグビーの練習をしていました。2019年に両方でウクライナ代表に選ばれ、アイスホッケーは22歳で区切りをつけました。

-アザレア・セブン入団の決め手は

コザチュク ロシアの侵攻です。戦闘が激化する一方で、15人制ラグビーもやる予定でしたが、スタジアムを爆撃されました。そのタイミングで入団オファーをもらい、とても感謝しています。

-家族や友人に被害は

コザチュク みんな大丈夫です。ただロシアに占領された地域は多く、最前線では亡くなった人もいて、早く終わってほしいです。

-今後、どんなプレーをしたいですか

コザチュク 早く練習に参加したいです。今は楽しみと不安、興奮と緊張があります。攻守すべての要素が好きで、どのポジションもできます。先を考えたプレーをできるのが強みで、生かしたいです。試合で力を出しきり、大会の優勝に貢献したいです。

-初めての日本の印象を教えてください

コザチュク 驚かされたのは名刺交換です。母国にない文化です。(関係者が人と会うたび)名刺を差し出し、礼儀正しくあいさつする姿は印象的でした。

-おいしいものは食べましたか

コザチュク 東京に数日滞在し、築地ですしを食べました。マグロが1番おいしかったです。日本の食べ物はおいしく、納豆たまごかけご飯も挑戦しました。

-母国で日本文化には触れていましたか

コザチュク アニメのポケットモンスターを見ました。でも小説を読む方が好きです。2年前に亡くなった父が村上春樹さんのファンで、家に本がたくさんありました。私も子どものころから読み、今までにほとんどの作品を読みました。「スプートニクの恋人」がお気に入りです。

◆ナタリア・コザチュク 1997年9月7日、ウクライナ西部のリビウ生まれ。リビウ国立大では保健体育を専攻した。170センチ。右利き。家族は母と姉、姉の娘。趣味はアコースティックギターを弾くこと。メタルバンドの曲も聴く。好物は母国伝統料理のボルシチ。