世界ランキング14位の高橋沙也加(30=BIPROGY)が大会初戦に臨み、同19位の韓国選手に9-21、21-16、21-13で逆転勝ちを収めた。

2歳上の姉から受けた金言を胸に、迷いを吹っ切ってプレーした。16年リオデジャネイロ五輪金メダリストである礼華さんから、前日にLINE(ライン)で届いたのが、「自分らしく、自分の力を出せば大丈夫」というメッセージ。ミスが続いて第1ゲーム落とす苦しい展開だったが、その言葉を思い出して開き直った。

第2ゲーム以降は、守勢に回った場面でも焦らず我慢。最後は相手に疲労が出ているのを見逃さずに攻め抜いた。会場では姉と生後約半年のめいが見守るなかで「良いところを見せたかった」と笑顔を見せた。

6月のインドネシアオープンの試合中に右ふくらはぎ肉離れを発症した影響で、今大会は2カ月ぶりの実戦。不安はないわけではないが、集中力を切らさずプレーした。

目指していた東京五輪出場はかなわなかった。現役引退もよぎった中で、競技を続けるモチベーションとなったのが東京開催の世界選手権。その舞台に立ち、まずは初戦を突破した。「勝ちたい気持ちはもちろんあるけれど、まずは自分のプレーをいろんな方に見ていただきたい思いが1番」。次戦でも再び、自分らしさを思い切り表現する。【奥岡幹浩】