男子チームスプリントは、ナショナルチームメンバーのドリームシーカー(長迫吉拓、小原佑太、中野慎詞)が43秒416の大会新で貫禄勝ちし、10月にフランスで行われる世界選手権での日本記録更新へ手応えをつかんだ。

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ナショナルチームメンバーが、3年ぶりに大会記録を塗り替えた。1走のスペシャリストの長迫が、今シーズンベストの17秒8で好発進を決めると、2走目の小原、3走目の中野とつなぎ、43秒416の大会新で優勝。長迫は「世界選手権に向けていい感じだと思う」と、10月12日開幕の世界選手権へ手応えを語った。この種目のためにBMXと二刀流として東京五輪前から関わってきた男の言葉に、2人もうなずいた。

アテネ五輪で銀メダルを獲得した、日本にとって思い入れのある種目。ただ、東京五輪では惜しくも出場枠を逃していた。今はナショナルチームメンバーが増えたことで、同種目もレギュラー争いが激化。今年6月のアジア選手権(インド・ニューデリー)優勝時とメンバーを入れ替えながら、タイムは0秒3短縮に成功し、チーム強化の一因にもなっている。

小原は「(アジア選では)2走としてずっとやってきたのに、取られて悔しかったので」と、留飲を下げた。中野も「チーム内の競争は激しいけど、勝ち抜きたい」と表情を引き締めた。アジア王者として挑む世界選手権まで2カ月弱。これで満足するわけにはいかない。【山本幸史】