ショートプログラム(SP)2位発進の吉田陽菜(17=木下アカデミー)が、200点超えでシリーズ初優勝を飾った。フリートップの136・96点を記録し、合計203・52点。得点を確認すると拳を振り、拍手で喜びを表現した。

堂々と世界の大舞台に飛び出した。新型コロナウイルスの影響で日本が派遣を見送ってきた経緯もあり、愛知・中京大中京高2年でのジュニアGPシリーズデビュー戦。冒頭のトリプルアクセル(3回転半)こそわずかに着氷が乱れたが、そこから大きなミスなくジャンプをまとめた。演技最終盤には3回転サルコーから2回転半、2回転トーループの3連続ジャンプを成功。白の衣装で華麗に舞い、3つのスピンは全て最高のレベル4をそろえた。

昨季はシニア転向で22年北京五輪を目指すことが可能な年齢ながら、ジュニアを主戦場として力を蓄えた。「目標にしていた初めてのジュニアGPシリーズ。1戦1戦を大切に、やれることを精いっぱいやりたいです」。今年の7月末にそう意気込んだ通り、シリーズ初戦から成長を示した。

第4戦アルメニア大会(9月21~24日、エレバン)にも出場を予定し、その先にはシリーズ2戦上位6人のジュニアGPファイナル(12月8~11日、イタリア・トリノ)が見えてくる。26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪を目指す有望株が、たくましく歩み始めた。【松本航】