10月開幕の世界選手権(英リバプール)女子代表で、5月のNHK杯で7年ぶりの高校生女王となった宮田笙子(17=鯖江スクール)が、個人総合で4種目合計55・265点をマーク。2位で同選手権代表の山田千遥(19=朝日生命ク)に1・799点の大差をつけ、2連覇を達成した。

それでも、細かなミスを悔やんだ。「床運動、平行棒でDスコア(難度点)を落とした」。跳馬は着地が決まったが「前のめりになってしまった」。そして「この3種目は悔いが残る」と、反省ばかりが口に出た。

3種目目の段違い平行棒が終了した後、左肩を回し、少し痛みに顔をしかめた。13日に終了したとちぎ国体で、予選の最終種目の段違い平行棒で落下。左腕が体の下に入って、左肩を痛めていた。

前日から「痛みに不安がある」と話していたが、この日は「緊張感もあり、アドレナリンも出ていたので、それほど気にならなかった」。痛みに負けずに、4種目を乗り切った。

2連覇を達成した8月の高校総体が終わってから、床運動の曲を変更した。当初、映画「マトリックス」の曲だったが、「動きが飛ばし飛ばしになっていた」。新しい曲は映画「ディーバ」を中心組み立てた。まだ変更して1カ月で「乗り切れたらいい。完成はしていない」。

21日には18歳の誕生日を迎える。大人の仲間入りだ。大人になる前、最後の大会で優勝し、体操界のディーバ(女神)が、女王に少しでも近づくために、世界へ羽ばたき始める。