日本(世界ランク7位)は2次リーグ3戦目でプエルトリコ(同17位)と対戦し、3-0(25-16、25-19、25-21)のストレートで勝利した。 第1セットから石川真佑(22=東レ)、井上愛里沙(27=久光)、林琴奈(22=JT)らが躍動した。緩急をつけた攻撃で相手を惑わし、一時は9点差をつけて試合の主導権を握る。勢いは第2セット、第3セットでも衰えない。島村春世(30=NEC)山田二千華(にちか、22=NEC)の移動攻撃がさえわたり得点を重ねた。 主将の古賀紗理那(26=NEC)は第3セットから出場し7得点。1次リーグから通算6勝2敗とし、ベスト8に王手をかけた。




日 本325-16
25-19
25-21
0プエルトリコ


2次リーグのプエルトリコ戦で得点し、喜ぶ日本(共同)
2次リーグのプエルトリコ戦で得点し、喜ぶ日本(共同)

☆真鍋政義監督 今日は3セット目で(故障明けの)古賀も使いましたから。非常に良かったですね。足の方もかなり良くなった。次のオランダ戦もありますからね。古賀には活躍して欲しいと思っています。(関が攻撃をよく組み立てていたが)特に島村の攻撃や林とのコンビも良かった。その前に今日はサーブとサーブレシーブが非常に安定していましたね。(開催国オランダとの最終戦に向けて)オランダは身長も高くてブロックも良い。まずはサーブで崩していかないと厳しいかなと思います。世界バレーの前に早めにオランダに入りまして、フレンドリーマッチも数多くやってきた。アウェーには慣れていると思いますので心配ないと思います。

☆古賀紗理那 今日は本当に大切な試合ということで、ストレートで勝ちきるという話は選手の中でしていました。ストレートで勝ちきることができて良かった。まだそんなに100(%)ではしていないんですけど、これからじょじょに気持ちも体も上げていきたいなと思います。(オランダ戦に向けて)次は高さのあるチーム。チーム一丸となって戦いたいと思います。(第3セット、最後に決め1枚ブロックは)最後だったんで、しっかり取りました!

☆林琴奈 (チーム最多15得点)相手をサーブで崩して、ハイボールもしっかり自分たちのディフェンスができました。その後の攻撃も良かった。自信につなげたいです。(ミドルブロッカーとの絡みも多かったが)関選手とも始まる前にこういう攻撃をしていこうという話をしていたので、そこはできて良かったと思います。ディフェンスで日本はしっかり取っていかないと、これから勝てない。そこは絶対に落とせないという気持ちでやっていました。最後のオランダ戦は(身長が)高いチーム。自分たちの粘り強さを出したい。前の練習試合では負けてしまったので、そこはしっかり返せるように。全員で勝ちにいけるように頑張りたいと思います。


第1セット

負傷明けのエース古賀はこの日もスタメンを外れる。

日本は石川のサーブから。

序盤、日本がいきなりチャレンジ。相手のブロックタッチが認められ1-1。

島村のブロードが決まって2-2。

長いラリー。日本はパンケーキなどで必死に拾う。最後はプエルトリコにミスが出て3-2。

日本のサーブミスから3-3となり、再び島村のブロード。相手のキャッチボールの反則で4-3。

日本が5-3とし、相手がチャレンジ失敗。

井上のサービスエースが飛び出す。6-3。

井上のバックアタックで7-4。

東レでもプレーした31歳エンライトに決められる。

関のトスから山田の移動攻撃。8-5。

山田がおとりになってライトの林のアタックが見事にはまる。

井上のポイントで10-6とする。

井上のアタックはブロックに阻まれる。10-8

関のバックトスから林が決めて11-8。

関のレシーブが乱れる。11-9。

長いラリー。プエルトリコのフェイントを、林が飛び込んで拾う。最後は島村のブロード。

14-9となった場面で、相手がタイムアウトを選択。

プエルトリコの連続得点。

関のトスから、井上の強烈なバックアタック。16-11。

島村のアタックはブロックアウト。17-12。

リリーフサーバーに宮部愛、井上が決める。18-12。

プエルトリコ2回目のタイムアウト。

再び宮部愛のサーブ。プエルトリコ、エンライトのポイントとなる。18-13。

ブロックのずらしながら山田がスパイクを決めて19-13。

石川が押し込む。20点目。

Bクイックから、林が押し込む。直後にタッチネットの判定で得点認められず。20-14。

石川のサーブで崩し、林がダイレクトで22点目。

関のバックトスから林。23-15。

リリーフサーバーに佐藤がコートへ。

再び関のバックトスから林!セットポイントを迎える。

最後も林。強烈なアタックを決めて25-16。

勝てば決勝トーナメント進出に王手がかかる一戦で、日本が第1セットを先取した。

(左から)石川真佑、松井珠己、山田二千華(2022年8月22日撮影)
(左から)石川真佑、松井珠己、山田二千華(2022年8月22日撮影)

第2セット

1-1から島村が決める。

林のサービスエース。日本はサーブで相手のエンライトを攻める。

島村のブロード。連続得点で4-1。

島村がおとりになり、石川が決める。5-1。

相手のミスもあり日本が得点を重ねる。9-5となった時点でプエルトリコがタイムアウトを選択。

林のブロックが決まり10点目。

石川のサーブミス。苦笑いを浮かべる。10-7。

プエルトリコの連続得点で10-10の同点となる。

関のトスから井上のアタック。11-10。

山田のブレイクから12点目。

再び井上がレフトから。13-10。

また井上で14点目。井上に徹底的にボールを集める日本。

石川が体を投げ出して拾い、井上のアタックはブロックアウト。15-11。

移動攻撃で島村だ!片足で踏み切るブロードが冴え渡る。16-12。

相手のミスで17点目。ここでプエルトリコがタイムアウト。

石川のスパイク。難しい角度からストレート方向へ。18-12。

バックセンターから井上。19点目だ。19-13。

日本が先に20点に到達する。

相手のサービスエースで20-15。

山田のブロード。見事な関のトスワークから!21-15。

相手のダイレクトでジワリと4点差にされる。21-17。

流れを変えるのは林だ。強烈なアタックで22点目。

相手のサービスエース。22-19。

関のバックトスから林。Dクイック。23-19。

井上の緩急をつけたアタック。24-19。セットポイントを迎える。

最後もまた井上だ!25-19。

日本が第2セットも連取した。

井上愛里沙(2022年8月21日)
井上愛里沙(2022年8月21日)

第3セット

このセットから故障明けのエース古賀がコートに入る。

日本は石川のサーブから。連係が乱れるなどして1-3とされる。

古賀がライトから決めて2-3。

島村のブロード。相手に的を絞らせない。3-4。

レフトから石川。ブロックアウトで4-4に追いつく。

関のブロック。日本が3連続ポイントで勝ち越し。5-4。

またしても島村のブロード。転倒しながらも決めた。6-5。

6-6。プエルトリコも粘る。

石川のスパイクはブロックアウト。7-6。

7-7。一進一退の攻防が続く。

ライトから林だ!8-7。

8-8。また同点とされる。

古賀のスパイクが決まり9-8。

同点、勝ち越しの展開が続く。

相手の2枚ブロックにつかまり9-9。

関のトス。島村がおとりになり、ライトの林。10-9。

古賀のブロックポイント! 11-9。

11-11。またしても追いつかれる。

古賀がマークされる。2枚ブロックで11-12。リードを許す。

相手のスパイクはアウトで12-12。

古賀のサーブはネットに阻まれる。12-13。

島村のブロード。13-13。

相手のアタックがアウト。14-13。

連係が乱れる。古賀のアタックはネット。14-14。

今度は山田のブロード。右へ移動しながら決めた。15-14。

関のサーブはネットインでサービスエース。16-14。

プエルトリコのロングサーブが決まる。16-16。

相手の3連続得点で勝ち越し許す。16-17。

日本はプエルトリコのロングサーブに対応できない。乱れて16-18。

相手のサーブアウトで17-18。

林がライトから決めて18-18。日本追いつく。

相手のビクトリアが勢いに乗ってくる。18-19。

外から林が決めて19-19。

関のトス、島村がおとりになり、ブロックをずらしてレフトの古賀がきれいに決める。20-19。

宮部愛のサーブから、返ってきたボールを古賀がダイレクト!さすがエース!21-19。

宮部愛のサーブは惜しくもアウト。21-20。

林のスパイクが2枚ブロックに阻まれる。21-21。粘るプエルトリコ。突き放したい日本。

大事な時に決めるのが、古賀だレフトから。22-21。

古賀のフェイントで相手の陣形を乱し、最後は島村のブロード。23-21。

相手のスパイクはアウト。マッチポイントを迎えた日本!

最後は古賀だ!1枚ブロックで仕留めた!

25-21。

日本がついに、ベスト8進出に王手をかけた!

古賀紗理那(2021年8月2日撮影)
古賀紗理那(2021年8月2日撮影)

スタメン

〈セッター〉

関菜々巳(23=東レ)

〈アウトサイドヒッター〉

林琴奈(22=JT)

石川真佑(22=東レ)

井上愛里沙(27=久光)

〈ミドルブロッカー〉

山田二千華(22=NEC)

島村春世(30=NEC)

〈リベロ〉

福留慧美(24=デンソー)


バレーボール世界選手権女子2次リーグ勝敗表


国名イタ中国ベル日本ブラオラプエアル
1イタリア619
2中国515
3ベルギー515
4日本515
5ブラジル514
6オランダ412
7プエルトリコ26
8アルゼンチン25

※5日現在、勝ち数は1次リーグ含む、点は勝ち点。勝ち点は3-0か3-1の勝利で「3」、3-2で「2」、2-3の敗戦で「1」を得る。



日本の2次ラウンド日程

☆9日 オランダ戦(10位)午後10時半開始

※日本の世界ランクは7位、相手国右の( )内は6日現在の世界ランク。


◆女子世界選手権・日本代表登録メンバー(背番号、ポジション、選手名、年齢)

2 アウトサイドヒッター 内瀬戸真実(30=埼玉上尾)

3 アウトサイドヒッター 古賀紗理那(26=NEC)

4 アウトサイドヒッター 石川真佑(22=東レ)

5 ミドルブロッカー 島村春世(30=NEC)

10 アウトサイドヒッター 井上愛里沙(27=久光)

12 セッター 籾井あき(21=JT)

15 アウトサイドヒッター 林琴奈(22=JT)

19 ミドルブロッカー 山田二千華(22=NEC)

22 リベロ 福留慧美(24=デンソー)

23 ミドルブロッカー 横田真未(24=デンソー)

26 アウトサイドヒッター 宮部藍梨(24=ヴィクトリーナ姫路)

30 セッター 関菜々巳(23=東レ)

37 アウトサイドヒッター 宮部愛芽世(20=東海大3年)

38 アウトサイドヒッター 佐藤淑乃(20=筑波大3年)


◆女子世界選手権

オランダとポーランドの共催で24カ国が参加。1次ラウンド(R)は6カ国づつ4組に分かれて総当たりで戦い、各組上位4カ国の計16カ国が突破。2次Rは8カ国が2組に分かれ、1次Rで対戦していない4カ国とのみ対戦し、上位4カ国が8強へ。3次Rからトーナメント制となり、2次Rで同組の1位と4位、2位と3位が準々決勝を戦い、勝者が準決勝へ。テクニカルタイムアウトなし、リクエストできるタイムアウトは1セット2回まで。

決勝は10月15日、オランダ・アペルドールン。

【イラスト】バレー女子世界選手権の対戦方式
【イラスト】バレー女子世界選手権の対戦方式