日本(世界ランク7位)が、第2戦でチェコ(同18位)に3-0(25-15、25-20、25-12)のストレートで勝利した。

勝負を決めた第3セットでは16-9から3連続失点で16-12。追い上げを許した所で日本はすかさずタイムアウトを要求。

効果的なタイムアウトは流れを呼び、古賀のサーブから怒濤(どとう)の9連続得点で25-12と勝負を決めた。ベテラン島村もクロスから1人で4連続得点を挙げた。20得点を決めた古賀は「チェコは高さもある(相手)。サーブはコースに打とうと思った」と振り返った。

前日25日の開幕コロンビア戦に続くストレート勝ち。今大会前に行われた24年パリオリンピック(五輪)プレ大会で全勝優勝をおさめ、5年ぶり復帰の真鍋政義監督(59)のもと、勢いそのままに白星を重ねた。

次は28日に世界ランク4位で格上の中国と対戦する。



日 本25-15
25-20
25-12
チェコ


☆真鍋政義監督 サーブが良かった。連続得点も出て、そこですごく楽になった。

サーブと、今日は島村も非常に良かった。(ミドルの攻撃について)特に島村の攻撃は早いので。関が上手く使いましたね。(中継局インタビューで12年ロンドン五輪銅メダルの木村沙織さんから、「(勝利の)気持ちを誰に伝えたいか」と聞かれ)木村さんですよね。沙織さんに伝えたいですね。


☆古賀紗理那 やはり、チェコは高さがある相手だったので、最後はしっかり工夫して打っていこうという話をしていて、それができたのが良かった。サーブはとにかくコースに打とうという気持ちで打ちました。(次の中国戦に向けて)高さのある中国チーム。最後はスパイカーが叩いてフォローできたらいいなと思います。


☆井上愛里沙 今日に関しては前衛では得点が少なかった。相手のブロッカーも昨日より高かったので、ストレートに打ちたかったがなかなか打ち切れなかった。その分、今日はバックアタックで点を取れた。チームとしてはサーブが良くて、昨日はミスもあったが、そこも修正で来ていたので、明日以降につなげていきたいです。前回のネーションズリーグで3週目以降に失速した。食事面に関してはすごく充実していて、スタッフがおにぎりを作って下さったり、すごく食事面でもサポートしてくれている。感謝している。今、全勝しているので、中国にも勝ってブラジル戦につなげたい。ネーションズリーグでは勝っていますが、中国はすごく力がある。今までやってきたことを出し切って一戦一世ベストを尽くしたいと思います。


☆島村春世 (第3セット終盤の4連続スパイクポイントに関して)良かったです。自分の持ち味である攻撃の幅を活かすことを考えた。相手の対策よりも自分たちの攻撃の質がもっと上げられればもっと得点は重ねられたと思ったので、そこに集中していこうと話していた。中国は難しい試合になるが、チームの力を全力で出したい。


◆試合経過◆

第1セット

井上のサーブで試合開始。長いラリーが続く。井上のバックアタックで日本が最初のポイントを得た。2-2の場面、井上が右足で拾う好プレーなども生まれ、最後は井上が1枚ブロックで3-2。

3連続失点を許し、一時は3-5と勝ち越される。

古賀のスパイクで5-5に追いつくと、またも古賀の1枚ブロックが決まり6-5。

7-6から日本の5連続得点で12-6となった。

13-8となり、島村が観客席近くまでボールを必死に食らいつき、ボールをつないだ。

井上のスパイクが決まる。日本の3連続得点で15-8とリードが広がった。

古賀がバックセンターから決めて日本が18点目。ここでチェコがタイムアウト。

関のサービスエースで20-10となる。

井上もサービスエースで22点目。22-13から井上のバックアタックで23-13、古賀のスパイクで24-14とし、マッチポイントを迎えた。

1点を返され24-15となるも、最後に決めたのもエースの古賀だ。

日本が25ー15で第1セットを先取した。

石川真佑(2021年8月2日撮影)
石川真佑(2021年8月2日撮影)

第2セット

チェコのサーブで開始。

主導権を握られ、1-5までリードが広がった。

そこからエース古賀が意地を見せる。古賀のスパイクが決まり2-5。

山田のブロックが決まり7-9と追い上げた。

9-9、10ー10と一進一退攻防が続く。

古賀のスパイクが1度はブロックにはじかれるも、関がつなぎ再び古賀がアタック。ブロックをはじき12-10となった。

古賀のフェイントから相手ネット手前に落とし13-10。

またも古賀のスパイクが相手ブロックをはじき観客席へ14-10。

井上のバックセンターが決まり16-12。日本がリードを広げていく。

古賀のサービスエースで19-13。日本にとっては6本目のエース。

井上がコート中に切り込んでアタックを放ち、チェコは拾えず21-13

22-18と追い上げを許し、日本のタイムアウト。

関のアタックが決まり23-18。

ライトから井上が強烈なアタックで相手ブロックをはじき24-19。

24-20から最後は林がライトからコート後方にスパイクを打ち込み、第2セットをものにした。

第2セットまで古賀がチーム最多16得点をマーク。

古賀紗理那(2021年8月2日撮影)
古賀紗理那(2021年8月2日撮影)

第3セット

チェコに先制を許すも2-2に追いつく。

島村の得点などで4-2と勝ち越し。

4-3から古賀のアタックを相手がブロックできず5-3。

古賀がダイブで相手スパイクを拾い、つないだボールを島村がネットそばに落とし得点。6-3。

井上が相手の中央に落とす。10-5とリードを広げた。

林がスパイクを決め14-8となった。

林のスパイクを相手レシーバーがはじき観客席後方へ。林の2連続得点で15-8。

古賀のスパイクが決まり16-9。

長いラリーが続き古賀がスパイクを放つもコートを外れ3連続失点。16-12にチェコの追い上げを許す。

タイムアウト直後、古賀のスパイクが決まり17-12。

ここから日本の猛攻撃が始まった。

古賀がサービスエースを決め18-12。右手でガッツポーズ。

古賀は打つポイントを変えながら、相手に的を絞らせない。

日本は古賀のサーブで崩し、島村がダイレクトで決めて19-12

古賀のサーブから4連続得点で20-12となった。

島村の攻撃も光る。クロス方向から立て続けにスパイクを決め21、22、23点となる。

そして、また島村だ!

島村の4連続得点でマッチポイントを迎え24-12。

最後は井上のアタックが相手ブロックをはじきコート外へ。

16-12から日本は古賀のサーブから9連続得点。

ベテラン島村も止められない!

日本がストレートで開幕2連勝を決めた。

島村春世(2021年8月2日撮影)
島村春世(2021年8月2日撮影)

【日本のスタメン】

<セッター>

関菜々巳(23=東レ)

<アウトサイドヒッター>

石川真佑(22=東レ)

古賀紗理那(26=NEC)

井上愛里沙(27=久光)

<ミドルブロッカー>

山田二千華(22=NEC)

島村春世(30=NEC)

<リベロ>

福留慧美(24=デンソー)


日本の1次ラウンド日程(全て日本時間午後9時15分開始)

☆28日(水) 日本-中国(4位)

☆30日(金) 日本×ブラジル(2位)

☆10月2日(日) 日本×アルゼンチン(23位)

※日本の世界ランクは7位、相手国下の( )内は世界ランク。

山田二千華(2022年8月20日撮影)
山田二千華(2022年8月20日撮影)


◆女子世界選手権・日本代表登録メンバー(背番号、ポジション、選手名、年齢)

2 アウトサイドヒッター 内瀬戸真実(30=埼玉上尾)

3 アウトサイドヒッター 古賀紗理那(26=NEC)

4 アウトサイドヒッター 石川真佑(22=東レ)

5 ミドルブロッカー 島村春世(30=NEC)

10 アウトサイドヒッター 井上愛里沙(27=久光)

12 セッター 籾井あき(21=JT)

15 アウトサイドヒッター 林琴奈(22=JT)

19 ミドルブロッカー 山田二千華(22=NEC)

22 リベロ 福留慧美(24=デンソー)

23 ミドルブロッカー 横田真未(24=デンソー)

26 アウトサイドヒッター 宮部藍梨(24=ヴィクトリーナ姫路)

30 セッター 関菜々巳(23=東レ)

37 アウトサイドヒッター 宮部愛芽世(20=東海大3年)

38 アウトサイドヒッター 佐藤淑乃(20=筑波大3年)

【イラスト】バレー女子世界選手権の対戦方式
【イラスト】バレー女子世界選手権の対戦方式

◆女子世界選手権

オランダとポーランドの共催で24カ国が参加。1次ラウンド(R)は6カ国づつ4組に分かれて総当たりで戦い、各組上位4カ国の計16カ国が突破。2次Rは8カ国が2組に分かれ、1次Rで対戦していない4カ国とのみ対戦し、上位4カ国が8強へ。3次Rからトーナメント制となり、2次Rで同組の1位と4位、2位と3位が準々決勝を戦い、勝者が準決勝へ。テクニカルタイムアウトなし、リクエストできるタイムアウトは1セット2回まで。

決勝は10月15日、オランダ・アペルドールン。