日本(世界ランク7位)が、2次リーグ初戦でベルギー(同11位)に3-1(21-25、25-20、25-16、25-22)で勝利した。

1次リーグで全出場国で最多123得点を挙げているベルギーの絶対的エース・ヘルボッツを止められず、第1セット(S)を21-25で落とす。

右足首を捻挫したエースで主将の古賀紗理那(26)が第2Sから3試合ぶりに復帰。真鍋監督はブロックの高さがある宮部藍梨(24)も投入。采配がズバリ的中し、流れを取り戻した。

次戦は5日、世界ランク2位のイタリアと対戦する。



日 本3 21-25 
 25-20 
 25-16 
 25-22 
1ベルギー


☆真鍋政義監督 今日は本当に苦しかったですけどね。選手たちが集中してプレーしてくれました。(2セット目から投入した古賀と宮部藍の)2人は良かったですね。古賀も足首もかなり良くなって、宮部がいいところでね、ブロック、スパイクとよく決めてくれました。特に(ベルギーの)3番ヘルボッツのね、なかなか日本人では上からやられるんですけど、よく(宮部藍が)ブロックに入ってくれた。(5日のイタリア戦は)ネーションズリーグのチャンピオンですから胸を借りるつもりで、団結力でいきます。


☆古賀紗理那 最初の(1次)ラウンドで後半は調子良かったので、その流れでいこうという話をしていたので。強豪国と当たるということで1人、1人、勝つんだという気持ちで試合に臨もうとミーティングでしました。(3戦ぶり復帰)まだ100%ではプレーしていなかったんですけど、しっかり点数を取ろうという気持ちでコートに入りました。チームとしてサーブが機能したのがまず1つと、オフェンスの部分で選手が変わったことで種類を増やした攻撃ができたのが今日の勝因かと思います。(5日のイタリア戦へ)本当に高さがあり、オフェンシブな選手のいるチーム。私たちもしっかりサーブで攻めて、ディフェンスでチームとしてしっかり貢献したいと思います。


☆宮部藍梨 私が出る時は、流れを変えないといけない場面が今大会は多かったので「よし! ここで流れを変えるぞ」という気持ちで入りました。できるだけ相手のブロックをばらつかせるということを心がけて頑張っていました。とりあえず、ヒジを下げずに打点を高くっていうのだけを意識しました。相手のブロックが見えて「ここが空いている」ということが何回かあったので、そこは冷静に相手のブロックを見てプレーできたかなと思います。(イタリア戦へ)チーム一丸となって頑張っていきたいと思います。


☆林琴奈 始まる前から、この一戦はすごく大事な一戦だと(真鍋)監督がおっしゃっていて、勝てたことはすごく自信になりました。途中から入ってきた選手がみんなすごく活躍してくれて、今日も全員で勝てた試合だと思いました。やはり古賀選手は頼りになりますし、チームを引っ張ってくれる存在。とても大事な存在だと思いましたし、一緒にプレーすることは私にとってもプラスになるので良かったです。イタリアはブロックが高いチームなので、しっかり自分たちの粘り強さを出して明日もしっかり勝ちに行きたいと思います。


第1セット

日本はエースの古賀はスタメンから外れた。

試合はベルギーのサーブから。日本は冷静にレシーブし、絶好調の石川が最初の得点を決める。

ベルギーが3連続得点。ベルギーにサーブから崩され1-4とされる。

ベルギーのエースはオランダ戦で41得点を挙げているヘルボッツ。23歳の絶対的エースを封じることが、カギになる。

日本は井上、林が決めて4-5とする。

再び井上が決めて5-6、石川のアタックが決まって6-7、また石川で7-8。林のポイントで8-8の同点に追いついた。

ここからが見せ場だ。

ヘルボッツのバックアタックを、2枚ブロックで山田が止めてついに勝ち越し。

さらに井上のバックアタックが決まって4連続ポイントで10-8。

ベルギーはヘルボッツの連続得点で12-12。

日本は林のスパイクで13-13とする。

一進一退の攻防が続く。日本の総合力と、ベルギーのエース・ヘルボッツの対決という構図になった。

ヘルボッツはこの試合の前まで、全出場国の選手で最多123得点を1人で挙げている。

石川のアタックが返され、日本は14-17と差を広げられる。

石川が2枚ブロックの間を決めて15-17。

ダイレクトでヤンセンスに決められて15-18。

ヘルボッツが止められない。高さのあるバックアタックで16-19。最初に20点に達したのはベルギーだ。

日本は何とか食らいつきたい。

林が決めて17-20。

石川のサーブは、相手のダブルコンタクトとなり18点目。追い上げる日本。

長いラリー。よく拾った日本。しかし、最後はベルギーのヤンセンスに決められた。18-21。

ライトから林のアタックで19-22とする。

ベンチから古賀が声を出して盛り上げる。

日本のサーブミスで19-23。

ライトから林のアタックはベルギーの2枚ブロックに阻まれて、相手にセットポイント。

日本、内瀬戸が体を投げ出して必死に拾い、林が意地のアタックを決める。20-24。

宮部愛のサーブからポイントを奪い21-24。

まだ諦めない。

最後はヘルボッツに強烈なスパイクを決められた。21-25。

第2セット以降、ベルギーのエースを封じることが勝利のカギとなりそうだ。


石川真佑(2021年8月2日撮影)
石川真佑(2021年8月2日撮影)

第2セット

このセットからエースで主将の古賀がコートに戻ってきた。高さのあるベルギーを封じるために、真鍋監督は日本で最もブロックの高さがある宮部藍梨も投入した。

0-1から、その古賀がまずは得点を決める。

ヘルボッツのポイントは、日本のチャレンジが成功して3-1。4-1から宮部藍がサービスエース。左奥、ヘルボッツを狙ったエースだった。

石川のバックアタックが決まって6-1。序盤から日本が勢いに乗った。

宮部藍はまたサービスエース。今度もヘルボッツの弱点を狙った。7-1。

真鍋監督の分析力でリード。

山田のクイックが決まって8-2。ヘルボッツのスパイクが乱れて9-2。

古賀のアタックはブロックに阻まれる。石川のパンケーキも、ベルギーの連続ポイントで9-4。

山田が決めて10点目。

11-5から石川が中央へ決める。

ヘルボッツにバックアタックを決められ12-7。古賀のアタックはブロックに阻まれ12-8。

宮部藍が決めて13-9、石川のポイントで14-9、ライトから林が決めて15-9。

ライトから石川が速さと力強さのあるアタックで16点目。

福留がよく拾っている。

サーブで崩され16-12。

ベルギーのオーバーネットで17-12。

古賀のアタックはブロックアウトで18点目。

日本にお見合いをする連係ミス。嫌な流れになりそうな時に、山田が高さを生かして押し込んだ。19-14。

日本が先に20点目。

ベルギーに追い上げられ21-18となる。

ベルギーのサーブミスで22-18。

宮部藍が技ありフェイントで落とし23点目。

石川からのポイントでセットポイントを迎える。

ヘルボッツのパワーの前に追い上げを許すも、最後は石川だ。25-20。

日本がセットポイント1-1とした。


宮部藍梨(右)と山田二千華(2022年8月20日撮影)
宮部藍梨(右)と山田二千華(2022年8月20日撮影)

第3セット

流れは日本に傾いた。

石川が押し込んで1-0。古賀が決めて2-0。林のポイントで3-1とする。

林のアタックは高いブロックの指先をかすめ4-1。

ベルギーのチャレンジ成功で4-3。

山田の速攻で6-4。

ベルギーのオーバーネットで7-4となるも、ベルギーの選手が抗議する。

石川のバックアタックで8-4だ。

ヘルボッツのアタックがアウトとなり、日本が5連続得点。

ヘルボッツが気合の強烈なアタックを決める。9-5。ガッツポーズをするベルギーの選手たち。

ただ、日本も石川が決めて、ベルギーに流れをつかませない。

再びヘルボッツに得点を決められたが、今度は山田がアタック。12-6。連続得点は許さない。

ベルギーのアタックがアウトで13-6。

ここでベルギーがタイムアウト。

宮部藍が強烈なアタックを決める。14点目。

福留のナイスレシーブから、林が決めた。全員でボールをつなぐ日本。

宮部藍がまた決める。

16-8。日本がリードを広げた。

石川のサーブから、また宮部藍だ! 高い、強い。

ヘルボッツをブロックで止めてから、古賀が決める。18-9。

林のアタックはアウト、古賀がブロックに阻まれる。ベルギーの連続得点で18-12。

宮部愛のサーブで崩そうとするが、ダイレクトで決められた。19-13。

ヘルボッツのサーブがアウトで日本が20点目。

ヘルボッツのバックアタックをよく拾ったが、最後はベルギーにネット手前へ押し込まれる。

いいタイミングで入ってきた古賀のバックアタックで21-14。ベルギーがアウトで22点目。

宮部藍がセンターから決めて23-15。

また宮部藍でセットポイントを迎える。

石川の積極的に攻めるサーブ。一時はアウトの判定も、日本のチャレンジが成功でサービスエース。

日本が第3セットも奪った!


2次リーグのベルギー戦で、得点し喜ぶ日本の選手たち(共同)
2次リーグのベルギー戦で、得点し喜ぶ日本の選手たち(共同)

第4セット

ヘルボッツの得点から。宮部藍のポイントで1―1。林、古賀と得点して3―2となった。

古賀、山田のダイレクトアタックで5―3。

古賀のバックアタックで6―3。

ベルギーはエースのヘルボッツにボールを集める。

山田のサーブで崩し、ベルギーの連係が崩れる。石川がヘルボッツの前にボールを落とすことで、ヘルボッツに攻撃に参加させない。8―5。

宮部藍が技あり。途中出場ながら11得点。日本が9―6とする。

長いラリー、最後はヘルボッツに決められた。ヘルボッツは23得点目。

9―7となる。

ライトから石川が決めて10―7。

石川のサーブで崩しにかかるも、ヘルボッツのポイント。

ベルギーの連続得点で10―10。

苦しくなった時に決めるのが古賀だ。11―10。

日本のブロックは惜しくもアウト。

11―11から、また古賀が勝ち越し点を挙げた。


12―12と一進一退の攻防が続く。

日本のサーブは徹底的に相手のエース・ヘルボッツを狙う。古賀のサーブから連続得点。サービスエースも出て15―12。

日本のブロックポイントで16―13。ヘルボッツを止めた!

レフトから石川のナイスアタック。17―14とする。

ベルギーの連続ポイントで17―16。

林の強烈なアタックはベルギー選手の顔を直撃。18―16。林はネットを超えて、謝りに行く。

古賀の連続アタックはブロックに阻まれる。19―18。

ベルギーのサーブミスで20―18。

ここで日本は筑波大3年の佐藤を投入する。

佐藤のサーブを拾い、ヘルボッツが決める。1点差。

ここで山田のブロックだ! 21―19。

ベルギーの移動攻撃。再び1点差。

古賀のバックアタックだ! 22―20。

ベルギーのサーブアウトは、相手側がチャレンジ。これが失敗で日本が23点目。

ヘルボッツのアタックを宮部藍が止めた!

真鍋監督の采配がはまり、マッチポイントを迎える。24―21。

最後はまた石川だ!

25―22。

日本が大事な2次リーグ初戦を3―1。通算5勝1敗とした。

ベスト8進出へ、1歩前進した。


古賀紗理那(2022年8月21日撮影)
古賀紗理那(2022年8月21日撮影)

日本スタメン

〈セッター〉

関菜々巳(23=東レ)


〈アウトサイドヒッター〉

石川真佑(22=東レ)

井上愛里沙(27=久光)

林琴奈(22=JT)


〈ミドルブロッカー〉

山田二千華(22=NEC)

島村春世(30=NEC)


〈リベロ〉

内瀬戸真実(30)


日本の2次リーグ日程

☆5日 イタリア戦(2位)午後9時15分開始

☆7日 プエルトリコ戦(17位)午後9時15分開始

☆9日オランダ戦(10位)午後10時半開始


※( )内は4日現在の世界ランク

2次リーグ・E組順位(1次リーグ終了時点)


1位 イタリア 5勝0敗勝ち点15

2位 中国 4勝1敗同12

3位 ベルギー 4勝1敗同12

4位 日本 4勝1敗同12

5位 ブラジル 4勝1敗同12

6位 オランダ 3勝2敗同9

7位 プエルトリコ 2勝3敗同6

8位 アルゼンチン 2勝3敗同5


(※1次リーグの成績が持ち越され、まだ対戦していない4カ国とのみ対戦。上位4カ国がベスト8に進出し、決勝トーナメントへ)

◆女子世界選手権・日本代表登録メンバー(背番号、ポジション、選手名、年齢)

2 アウトサイドヒッター 内瀬戸真実(30=埼玉上尾)

3 アウトサイドヒッター 古賀紗理那(26=NEC)

4 アウトサイドヒッター 石川真佑(22=東レ)

5 ミドルブロッカー 島村春世(30=NEC)

10 アウトサイドヒッター 井上愛里沙(27=久光)

12 セッター 籾井あき(21=JT)

15 アウトサイドヒッター 林琴奈(22=JT)

19 ミドルブロッカー 山田二千華(22=NEC)

22 リベロ 福留慧美(24=デンソー)

23 ミドルブロッカー 横田真未(24=デンソー)

26 アウトサイドヒッター 宮部藍梨(24=ヴィクトリーナ姫路)

30 セッター 関菜々巳(23=東レ)

37 アウトサイドヒッター 宮部愛芽世(20=東海大3年)

38 アウトサイドヒッター 佐藤淑乃(20=筑波大3年)


◆女子世界選手権

オランダとポーランドの共催で24カ国が参加。1次ラウンド(R)は6カ国づつ4組に分かれて総当たりで戦い、各組上位4カ国の計16カ国が突破。2次Rは8カ国が2組に分かれ、1次Rで対戦していない4カ国とのみ対戦し、上位4カ国が8強へ。3次Rからトーナメント制となり、2次Rで同組の1位と4位、2位と3位が準々決勝を戦い、勝者が準決勝へ。テクニカルタイムアウトなし、リクエストできるタイムアウトは1セット2回まで。

決勝は10月15日、オランダ・アペルドールン。

【イラスト】バレー女子世界選手権の対戦方式
【イラスト】バレー女子世界選手権の対戦方式

【世界バレー】捻挫した古賀紗理那、4日ベルギー戦で復帰か 前回敗れた相手に雪辱へ