障害物を乗り越え、スピードや技を争う競技、パルクールの世界選手権が14日から16日まで、初めて開かれる。記念すべき第1回の会場は、東京オリンピックでBMXやスケボーが開催された次世代スポーツの聖地とも言える東京・有明アーバンスポーツパークだ。

パルクールの起源は、フランスの軍隊で、歩く、走る、跳ぶ、登るなど10種の基礎的運動から成立するトレーニングだった。それを基に、80年代に現在のパルクールの基礎がつくられた。

現代のパルクールも、走る、跳ぶ、登るといった移動に重点を置く動作で、心身を鍛えるものだ。その中で、身体的、精神的な自分の限界をどのように克服するかに挑戦することを探していく。つまり、そこには、もともと他人と競う概念がない。

しかし、パルクールの裾野を拡大するために、パルクール本来の特性を守り、新たに楽しむ方法のひとつとして、スポーツとしてのパルクールが生まれた。それが、今回の世界選手権でも行われる。

種目は2つ。ひとつは「スピード」で、パルクールの動きでAからB地点へと障害物を越えながらゴールを目指し、そのタイムを競う。もう一つが「フリースタイル」。最大90秒間の中で、AからB地点へ移動する流れ、構成、難度を競うものだ。