今季飛躍が期待される渡辺倫果(20=法大)が、GPシリーズ初出場の大会開催地がカナダとなったことに「エモいですね」と大きく笑った。

「2年ぶりです。1回入国拒否をされちゃったんで」。中学3年の時にカナダへ渡り、ずっと拠点にしてきた国だった。愛着はひとしおだ。それが新型コロナウイルスの影響で帰国を余儀なくされ、再び渡航した際にカナダの空港で通告を受けたという。「条件が満たしてなかったみたいで」。

当時の状況がパスポートに記録されているため、今回の試合でも入国できるかが不透明な時間が長かった。「出発の前日まで出国できない状態で。この一週間はもう生きた心地がしなかったので。まあ本当にまあ入国できただけでも本当に感謝感激です」。試合に出場できる。自然に「エモ」くなった。

今季は9月のロンバルディア杯で優勝。トリプルアクセル(3回転半)を武器に、国際舞台での活躍を期す。GPシリーズは出場なしの予定が、NHK杯も含めて2戦出場が決まるなど、この流れを生かしたい。

この日の公式練習では「なんか気持ち悪くて。気持ち悪かったけど、よく滑る、勝手に重心を乗せたら滑ってくれるようなスピードの出しやすい氷だった。アクセルとかははまりやすいのかな」と好感触を得た。思い入れのある土地で、存在感を放ってみせる。