宇都宮ブレックスのエース比江島慎(32)が今季最多の29得点と大爆発した。宇都宮は好調群馬クレインサンダーズと熱戦を演じ、試合は2度の延長に突入。辛くも勝利を収め、5連勝を飾ったが、原動力となったのが、7本の3点シュートを決めた比江島だった。

第4クオーター残り7分43秒で、12点のビハインド。リーグ屈指の攻撃力で10勝3敗と快進撃を続けていた群馬相手に、この差はとてつもなく大きく感じられた。しかし、宇都宮の真骨頂はここからだった。

7点差に詰めたあと、比江島が立て続けに3点シュートを決めるなどして、延長戦に持ち込む。最初の延長戦も残り1分を切って3点差と追い込まれたが、残り19秒でまたも比江島が3点ショットを成功。本拠地は異常な盛り上がりを見せ、勢いにのって2度目の延長戦で群馬を振り切った。

敵将・水野宏太ヘッドコーチ(40)は比江島について「僕らが頑張っても止められない。称賛に値する」と脱帽。宇都宮の佐々宜央(さっさ・のりお)ヘッドコーチ(38)も「練習からシュートのタッチが良かった」と爆発を予感していた。

ヒザに痛みを抱えながら、最後まで走り続けた比江島は「タフなゲームだった」と、さすがに疲労困憊(こんぱい)。それでも、勝つと負けるとでは大違いで「チームのためにしっかり決められた」と安堵(あんど)の表情を浮かべていた。