ジャンプ男子で坂野旭飛(北海道・下川商2年)が合計217・0点で初頂点に輝いた。2位とは31・2点差(飛距離換算16・6メートル差)で圧勝した。12年から公開競技として実施されている女子は中山和(下川商3年)が史上初の3連覇を達成した。アルペン女子大回転で増田さくら(旭川明成2年)が初優勝した。

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ジャンプ男子で坂野が2年生王者に輝いた。3連覇を狙った中村正幹(東海大札幌3年)らを退け、表彰台の真ん中で会心の笑みを浮かべた。元ジャンプ選手でW杯出場経験経験のある父幸夫さん(47=雪印メグミルクコーチ)の長男。父の地元、山形で栄冠をつかみ「蔵王で優勝できたことがうれしい」と白い歯を見せた。

世界ジュニア選手権では5日の混合団体で銀メダルを獲得した。4人目のアンカーとして貢献。「世界のいろんな人のジャンプを吸収して、自分のジャンプをしっかりして頂点に立てれば」と意気込んでいた。

金メダルまであと1歩だったが、自信を手にして前日7日に帰国。この日は疲労が残る中、本番前の試技で感じた助走のぶれを冷静に修正した。1回目に99・5メートルを飛んで首位。2回目もK点(95メートル)まで伸ばし「いいジャンプをそろえられたので満足している」と充実感に浸った。

1月のW杯札幌大会ではテストジャンパーを務め、世界レベルを肌で感じた。飛び出しのスムーズさや空中での姿勢を「見ていてやりたいなって思った」と、吸収しようと目に焼き付けた。

札幌市出身で、小学2年生で競技を始めた頃から父を目標としてきた。同市が開催を目指す2030年冬季五輪を目標に「(7年後は)ちょうど実り実った年だと思う。そこで優勝したい」と夢を語った。

◆主な親子ジャンパー 男子でW杯代表として今季開幕から転戦する二階堂連(21=日本ビール)の父学氏は91年世界選手権出場。女子で4日の世界ジュニア女子団体で金メダルに輝いた一戸くる実(18=CHINTAI)の父剛氏は現在早大監督で06年トリノ五輪出場。98年長野五輪団体金メダルで現在雪印メグミルク監督の岡部孝信氏の長男凛大郎(14=江別第三中)は「憧れの選手はお父さん」。