ショートプログラム(SP)17位の山本草太(23=中京大)が、清々しい表情で初舞台を終えた。

「今回も少しミスは出ましたけど、最終的にはま後半だったりはすごく気持ちよく滑れて。笑顔で今大会を終えることができので。悔しい試合にはなりましたけど、また、必ず来シーズンのレベルアップにつながるような試合になったかなと思います」。

フリーは冒頭の4回転サルコーで転倒し、続く4回転トーループで手をつき、連続のトーループが2回転になった。前半は苦しかった。ただ、後半、背中を押す声援を受けながら、トリプルアクセル(3回転半)などは決めきった。得点が156・91点、合計232・89点と表示されると、納得したようにうなずいた。

今季前半はグランプリ(GP)ファイナル銀メダルなど、シニア7季目で一気に飛躍した。後半は思うような結果が出なかった。

「やっぱり挑戦者という立場だったんで、シーズン序盤からどの試合も出し切って、結果を出していかなきゃいけない立場だったので。それを継続させることがが難しかったかな」。

他選手も目を見張る強度の高い練習を積んできた。それを試合で出すこと。課題は明確だ。

「頑張る方向性だったり、何をするべきかとか、何をしないべきかとか。そういったものをまた改めて、今回のこの世界選手権を経験できたからこそ、初めて気づかされたこともたくさんあった」。

新たな4回転の習得も視野に入れる来季へ。大けがと長期リハビリを乗り越えての復活の道のりも、少しずつだった。焦ることはない。またこの舞台に戻ってくるために、己と向き合っていく。