Vリーグ女子1部(V1)昇格が「内定」したV2アランマーレ山形が10日、酒田市内で報告会見を開き、喜びを語った。北原勉監督(42)、木村友里主将(27)ら選手、関係者ら23人が出席。1人1人が今季を振り返った。なお、来季のV1昇格はVリーグ機構規約に基づき、日本バレーボールリーグ機構の理事会の承認を経て正式に決定する。

おそろいのチャンピオンTシャツに袖を通した選手らが思い思いの言葉で昇格内定の喜びを語った。8、9日に行われたV・チャレンジマッチ(入れ替え戦)では姫路(V1・12位)に連勝し、つかんだV1挑戦権。一夜が明け、V1昇格の実感について問われた北原監督は「実感がなくてまだ戦っているような気持ち。落ち着いた頃にだんだん実感してくるかなと思います」。200通を超える祝福のメッセージが届き、15年の創部からチームを率いる指揮官は「本当にうれしい限り」と笑顔を見せた。

20-21シーズンから2季連続で3位。あと1歩で入れ替え戦進出を逃してきた。副主将の草島華穂(25)は、昨季の報告会見で「北原監督や西尾(博樹)部長を胴上げできていない。ファンの皆さんとまだ喜べる瞬間がある」と、今季への並々ならぬ思いを抱いていた。ここぞという場面でリリーフサーバーを務め、入れ替え戦の第2戦ではサービスエースを成功。胴上げは「重くて上げられないところもありましたけど…。その重みを感じながら2人を上げられて良かった」と笑みを浮かべた。

主将としてチームを引っ張り、創部初の快挙を成し遂げた木村は「ここにいるスタッフやチームメートだったからこそ成し遂げられた結果」と言い切った。試合後の連絡は「数え切れないくらい来た。『とにかく休んでくれ』というメッセージが多かった」。悲願を成就させた余韻に浸りながら、まずは心身を回復させる。【相沢孔志】

▽前田和哉コーチ(山形・鶴岡市出身で20年4月からコーチ)「山形に昔V1(チーム)がありましたが、なくなってしまって悲しかった。酒田にVリーグのチームが生まれ、応援していたチームに携われて地元の皆さまに感動を与えられて本当に良かった」

▽福田有里コーチ(18-19シーズンは選手でプレー)「4年前、ホームゲームで姫路が昇格した姿を見て本当に悔しい思いで引退した。このチームでリベンジをしたことにうれしく思う。チームメート、ファンの皆さんに感謝しています」