世界女王の坂本花織(23=シスメックス)が、初の主将を務めている心境を語った。

フリーを145・75点で2位で終えた後、上位3カ国の主将による会見に出席。「どんなキャプテン像を目指しているか」と問われると「在り方っていうのは本当に難しくて、どうやったら、みんながベストパフォーマンスができる状況になれるのかっていうのをすごく考えたし、今でもなんなら考えてるくらいで」と切り出した。

これまでまとめる立場についた経験は少ない。逆に、理想を考えてみた。

「やっぱり試合でナーバスになってしまう。試合前に、そういう気持ちになってしまうところを『頑張れ、いけるよ』って背中を押してあげられるような存在がやっぱキャプテンかなって思ったし、本当に自分ならではのテンションの上げ方だったりとか、周りを明るくするっていうのは自分にしかできないことだと思うので」

年代的には代表8人の中間になる。下には男子の佐藤駿、ペアの三浦璃来、同世代には三原舞依、友野一希、そして年長者としてペアの木原龍一、アイスダンスの村元哉中、高橋大輔。年上とは少し年が離れている。

「どうやって声をかけたらいいのかなって、すごい気を使うので、大変だったりするんですけど」

そう打ち明けながらも、むしろ年長組の心遣いに感謝が募る。

「国別が始まる前に『困ったことがあったら、なんでも手伝うからね』って村元選手が連絡くれたり、あと、買い物する時とかも木原選手が『割り勘するから全然大丈夫。全然頼ってね』っていうのをすごく言ってもらえて。本当に頼りがいのある先輩たちの背中を見て、背中押すっていうか、背中押してもらってる側になってるなって思いながら、今、主将をやってます」

とびっきりの笑顔でそう明かした。きっと、そう言える明るさが、またチームの和を固くしているのだろう。

日本は第2日を終えて3位。3大会ぶり3度目の優勝へ、一丸となって第3日(15日)のペアフリー、男子フリーに臨む。【阿部健吾】