競泳の男子100メートルバタフライ日本記録保持者・水沼尚輝(26=新潟医療福祉大職員)が17日、同大で開かれた世界選手権(7月、福岡)の日本代表決定報告会に出席した。代表選考会を兼ねる日本選手権では51秒35の2位だったが、派遣標準記録51秒67をクリアして代表に滑り込んだ。水沼は「何とか勝ち取ることができた」と話した。

昨年10月、ぎっくり腰に見舞われ、約1カ月のリハビリ生活を送った。その後、泳ぎのフォームが崩れ、3月にはスランプを自ら公言していた。2位になった日本選手権決勝もテンポの速い泳ぎで、本来の姿ではなかった。レース後に水沼の泳ぎを分析した下山好充監督(51)は「ひとかきで進む距離は10センチ短かった。前半と後半のストローク数も1回ずつ多かった」と言う。

世界選手権まで約3カ月。日本記録50秒81の保持者は、新たなフォームを模索する。「ドルフィンキックで加速している感覚がない」とキック改造で足のサイズ30センチの武器を生かす決意だった。下村監督は「大きく泳ぐ動きを取り戻す」と言う。昨年の世界選手権男子100メートルバタフライ銀メダルは、五輪を含む世界大会で同種目の日本勢初となる表彰台だった。水沼は「目標はしっかりと決勝に残ること」と大舞台を見据えた。