ウルフドッグス名古屋が7季ぶり2度目の優勝を果たした。昨年のファイナルで苦杯をなめたサントリーサンバーズに、3-0のストレート勝ちでリベンジ成功。レギュラーラウンド(RR)・ファイナルともに制覇した。

ブロック決定本数1位を誇る鉄壁の守備陣が機能した。相手の絶対エース、ムセルスキーを第1セット(S)から徹底マーク。ブロックで得点を重ねるとともに、相手にリズムをつかませなかった。第1、2Sだけでブロックで11得点。それぞれ、25-23、25-18でセットカウントを奪った。第3Sは大接戦となったが、4度のマッチポイントの末に山崎がアタックを決めて28-26とした。

日本代表セッター永露元稀は、最後の得点について「(エース)クレクに(トスを)上げる選択肢もあったが、どこに上げてもやってくれる自信がありました」と笑顔。リベロの小川智大は「今シーズンいちばんの試合になった。ファンの皆さんにこの景色を見せたかった」と胸を張った。

実力伯仲の戦いだった。RRの対戦成績は2勝2敗。RR4強の総当たり準決勝リーグ「ファイナル4」での対戦では、フルセットの激戦にもつれ込み、最後はデュースの末に力尽きていた。昨年のファイナルでは、目の前で優勝を見届けたライバル。屈辱を重ねるわけにはいかなかった。

ファイナル4を2位で通過した際に、ヴァレリオ・バルドヴィン監督は力説した。「忘れ物を取りに行こう」。イタリアリーグでの指導経験もある1季目の名伯楽の言葉に、シックスも奮起。永露は「悔しい負けをチーム一丸で取り返す」、キャプテンのバルトシュ・クレクは「我々も引けを取ることなく素晴らしいチーム。日本のバレーボール文化を高めていく素晴らしい試合になる」と誓った。強い気持ちで臨んだ大一番だった。

チームが豊田合成の名で活動していた2015-16年シーズン以来7季ぶりに栄冠を手にした。そして、ライバルの2度目の3連覇を阻止。1年前の意趣返しを果たし、バレーボールの“聖地”代々木で笑顔の花を咲かせた。