PFUブルーキャッツと埼玉上尾メディックスの対戦となった女子決勝で、埼玉上尾の元日本代表・内瀬戸真実(31)が現役ラストマッチを戦った。

「『やりきる』という気持ちで臨んだ」という内瀬戸は、序盤から攻守に果敢なプレーでチームをリードした。試合には1-3で敗れたが、強さと巧みさが光るスパイクで得点を重ね、チーム最多となる16得点をたたき出す活躍。「みんなでつないでくれた決勝戦を、このメンバーで最後まで戦えたことがうれしかった」と気持ちをプレーで表現した。

試合後のコートで胴上げされ、会見で同席した山岸あかね(32)、佐々木海空(23)と3人で涙を流した場面から伝わる通り、周囲から愛される選手だった。

埼玉上尾の大久保茂和監督(43)は、技術面にプラスして、「尊敬に値する」と人柄を評価した。「人間性が何より素晴らしい。何でもない1日の練習でも、世界を戦う時と同じ温度で取り組んできた。あれだけの実績を残しながらも、誰に対しても分け隔てなく接することができる。『真実と1秒でも長くプレーしたい』というエネルギーを感じる大会だった」。

元日本代表のウイングスパイカーは、25年の選手生活を「本当に幸せなバレーボール人生でした」と振り返り、涙をぬぐった。