世界ランキング7位の日本が、21年のVNL覇者で同2位のブラジルを3-2で破り、破竹の開幕7連勝を飾った。

同国には1993年7月に開催されたバレーボール・ワールドリーグ(現VNL)の予選リーグ以来約30年ぶりとなる公式戦での勝利。同年から続く連敗を29で止めた。出場16カ国中、唯一負けなしで単独首位の座をキープ。予選ラウンド突破へ大きく前進した。

オポジット宮浦健人(24)を今大会初めてスタメンに起用。立ち上がりからサーブが機能した。第1セット(S)から高橋藍(21)が連続でサービスエースを決めるなど3連続得点に成功すると、セッター関田誠大(29)、山内晶大(29)、石川祐希(27)も要所でエースを決めてリードを守る。終盤は粘りに合いながらも、最後は高橋藍がスパイクを決めて、25-23で先取した。

その後も、サーブで攻め続け、過去に五輪で3度金を獲得した強豪から金星を収めた。

4連勝で開幕ダッシュに成功した名古屋大会から、フランス・オルレアンに移動した第2週。ブラン監督がチーム全体に与えた課題は、サーブ精度の強化だった。「フランス大会で戦うチームはそこまでパスが良くないが、高さとフィジカルがある。だからサーブが非常に大事になる」とライバルを分析。「ここ数日間はサーブを練習してもらいたい」と声を上げ、初日の練習からサーブとパスの練習を追加で実施した。

その成果は、初戦のカナダ戦から明確に表れた。ミドルブロッカー山内のサーブから6連続得点を挙げ、序盤から二転三転した流れをがっちりとつかんだ。その後は、キャプテン石川やエース西田もそれぞれ3本のサービスエースを決めて、東京五輪ベスト8の難敵を圧倒。山内は「自分の得意なコースにしっかり打ち込んでいけた。ビッグサーバーではないが、しっかり戦術的なサーブで相手を崩せていけたら今後も優位に展開していけるのかなと思う」と、個々のサーブの重要性を改めて口にしていた。

この日もサーブを糸口に、全員バレーで勝利をつかんだ日本。目標とするベスト4へ躍進を続ける。フランス大会最終日となる23日は、世界ランキング8位のアルゼンチンと対戦する。

 

◆日本のブラジル戦 最後に勝ったのは93年7月のワールドリーグ(現ネーションズリーグ)予選リーグで、当時も3-2だった。メンバーは前日本代表監督の中垣内祐一や元日立監督の松田明彦ら。その後は公式戦では2セットを奪うことすらままならず。昨年6月、ついに親善試合で3-0の勝利を収めたが、公式戦では7月VNL、8月世界選手権ともに善戦しながらもストレート負け。93年から29連敗を喫していた。

◆パリ五輪への道 出場枠は開催国フランスを含む12。9~10月に開催される五輪予選「ワールドカップバレー」は、世界ランキング上位24カ国が8カ国ずつ3組に分かれ、日本など3都市で対戦。各組上位2カ国が出場権を得る。ここで獲得できなかった場合は、五輪予選で出場権を獲得した6カ国とフランスを除く世界ランキング上位5カ国が出場権を得る。日本が出場権を逃した場合は、ランキングのために来年のネーションズリーグに出場し、ポイントを重ねていくことが必要となる。