バレーボール男子日本代表(世界ランキング4位)のフィリップ・ブラン監督(63)が1972年ミュンヘン大会以来、52年ぶりの五輪メダル獲得へ、目と耳と足をフル稼働させる。

8日まで行われたパリ五輪予選W杯バレーでプールB2位となり、上位2チームが得る五輪切符を獲得。9日、オンラインで今季の総括会見を行い、「メダルを争う準決勝に進む」と、母国フランスでの表彰台を目標に定めた。

指揮官に“オフ”はない。「これからパリへのパフォーマンスに向けて歩みを進めていく」と力を込めた。まずは一時帰国し、今季のデータを分析。11月からは欧州の各リーグを行脚する。10月末には、チームの枢軸を担う石川や高橋藍が所属するイタリアリーグ、宮浦のフランスリーグ、山本龍のルーマニアリーグが一斉に開幕。「冬の間に選手たちと個別に話し合っていく」と、綿密なコミュニケーションを続ける。12月には再び来日し、Vリーグを視察。選手だけでなく各チームの監督からも意見を仰ぎ、来季の戦力を見極めていくもくろみだ。

技術力の底上げも求める。「(強豪国との対戦では)1点、2点が試合の明暗を分ける。重要な場面で正しい判断を下す力を向上させ、最も最適なプレーができる準備が重要」と説いた。再び日の丸の下に集まるときには、さらに強固な一枚岩へ-。青い目の指揮官は、歩みを止めない。【勝部晃多】

 

○…石川祐希(27)が日本のエースから“ミラノのエース”に気持ちを切り替えた。今月22日に控えるイタリア1部リーグセリエAの開幕に向け「優勝を目指して戦っていく。しっかりリフレッシュして準備したい」と引き締めた。この日は母校中大でバレーボール教室を開催。高校生、大学生約15人を対象に、アタックスキルを中心に約1時間実技指導した。トークセッションでは「進化するために新しいことへ積極的に挑戦していくべき。結果が出なかったとしてもそれは失敗でないし、全部今後の人生の教訓になる」とエールを送った。

 

○…西田有志(23)は“Vリーグのエース”として磨きをかけていく。14日に開幕するVリーグ1部男子の記者会見に出席。今季から移籍したパナソニックのユニホームに袖を通し「優勝が遠のいているので、自分が近づけられるように貢献したい」と引き締めた。成長へのモチベーションは高まるばかりだ。Vリーグ会見後にはスポーツブランド、アルペン主催のイベントに登場。「代表が終わって(メンバーとは)別々になるけど、みんなが一瞬の喜びのためにいろんなものを犠牲にして頑張ると思う。毎日上達して、僕は本気でそこを狙いに行く」と、パリでの金メダル獲りを宣言した。