ショートプログラム(SP)5位発進の住吉りをん(20=オリエンタルバイオ/明治大)がフリーで大技4回転トーループを決め、銅メダルを獲得した。

4回転トーループは21年に島田麻央が日本女子で初めて決めたが、国際スケート連盟(ISU)公認大会での成功は初。シニアでも初めての成功となった。紀平梨花が20年全日本選手権で4回転サルコーを決めたが、ISU公認大会での4回転ジャンプの成功は、02年の安藤美姫さんの4回転サルコー以来、21年ぶりとなった。

大技成功でフリー1位となる136・04点をマークし、合計197・76点。「これまで頑張ってきたものが実を結んで良かったなと思います」とかみしめた。

冒頭のダブルアクセル(2回転半)-3回転トーループの連続ジャンプを決め、続く4回転トーループ。「男子選手はカーブを使わずに楽に入っている」と、22年北京五輪銀メダルの鍵山優真らの滑りも参考にしながら磨いてきた大技を成功させた。出来栄え点(GOE)で1・76点の加点を導くジャンプに、会場からは大歓声が上がった。

「空中で100%いける確信はなかったんですけど、今までよりもすごく強い気持ちで跳び上がることができたので、それが良い着氷につながったと思います」

ここで気持ちが切れることなく、その後は曲の盛り上がりに合わせ、キレのあるステップやターンを披露。5本目のフリップ-トーループの連続3回転ジャンプ以降も、いずれのジャンプを成功させた。

演技を終えると、涙ながらにガッツポーズ。「昨年だったら逆に緊張して他が崩れていたと思うんですけど、それがなかったのがすごく成長を感じられた」と演技全体にも進歩を感じ取った。

次戦はGPシリーズ第5戦のフィンランド大会(11月17~19日)を控える。「ショートの失敗は確実にメンタル。スピンのレベルだったり、ステップのレベルだったりは、今まで練習してきているものがある。しっかり休んで、万全な状態にして、(課題を)改善できるように練習しようかな」とさらなる飛躍を期した。