【アンジェ(フランス)=松本愛香通信員】ショートプログラム(SP)10位の片伊勢武アミン(19=関大)は、ほろ苦いGPデビューとなった。

フリー12位の136・48点と得点を伸ばせず、合計212・75点で最下位の12位。悔しげな表情で「普段しないようなミスをしてしまって、ちょっと流れが途切れてしまった。『あぁ残念だな』って、今はちょっと思っています」と振り返った。

序盤から流れはつかんだ。2本のトリプルアクセル(3回転半)を含めて、前半のジャンプ4本は全て出来栄え点(GOE)で加点がついた。だが、基礎点が1・1倍となる後半は3回転ルッツ、3回転フリップでともに転倒。流れを最後まで維持できず「1個失敗してから、つかめなくなった。リカバリーのことも考えたりしていたら、タイミングを逃してしまって、気づいたら終わっちゃっていました」とのみ込まれた。

昨季はジュニアGPファイナルにも出場。シニア1年目で貴重な経験を得た。

「『世界で戦う』ということを初めてして、その意味がすごく分かりました。今後はここで表彰台とか、優勝を目指せるようになりたいと思えた。今後のための、すごくいい足掛かりになったかなと思います」

悔しさが残るGP初陣を、未来への財産に変えていく。