今月上旬のGPシリーズ第3戦フランス杯で大技4回転トーループを決めた住吉りをん(20=オリエンタルバイオ/明治大)が、2度目の成功を思い描いた。

GPシリーズ第5戦フィンランド大会が17日、同国エスポーで開幕するのを前に前日の公式練習に臨んだ。フリー「Enchantress」の曲かけ練習では冒頭のダブルアクセル(2回転半)-3回転トーループを着氷。続く4回転トーループは着氷時の体勢こそ乱れたものの、何とか降りきった。「良い体の動きもできていましたし、自信がつく4回転の練習でした」と手応えを示した。

4回転トーループは21年に島田麻央が日本女子で初めて決めたが、国際スケート連盟(ISU)公認大会での成功は初。シニアでも初めての成功となった。その後は毎日のように成功させた映像を見返し、良いイメージを植え付けてきた。

「自分が降りた映像を何度も何度も見ることで、また降りることができる自信にもなります。練習での確率も上がっている感触があります」

1度成功させたことで、2度目の成功への期待も高まるが、それをプレッシャーとは捉えていない。落ち着いた口調で言い切った。

「(重圧は)あるとは思いますが、自分にはかけないでおこうというか、あまりかけていなくて。それを考え始めると、違うところにも力が入りそうなので、また『降りれるだろうな』『降りれたらいいな』くらいの軽さでいようと思います」

心の余裕や安定が、今季の成長につながってきた。フィンランドでも、これまでと変わらずに冷静に臨む。