人生初の姉妹対決は、姉に軍配が上がった。

女子バレーボール日本一を決める皇后杯のファイナルラウンドが開幕し、Vリーグ2部のヴィクトリーナ姫路は、3日まで行われた全日本インカレで銀メダルに輝いた東海大と、初戦の1回戦で対戦。今年のW杯でも活躍したミドルブロッカーで姫路所属の姉、宮部藍梨(25)と、ユニバーシティゲームズで銀メダル獲得に貢献したアウトサイドヒッターで東海大所属の妹、宮部愛芽世主将(22)が、コート上で初めて顔を合わせた。

第1セット(S)、宮部愛のスパイクを宮部藍がブロックで止めるなど、終始姫路がペースを握った。井上愛里沙、柴田真果、小林エンジェリーナ優姫ら日本代表を擁し、Vリーグでは無傷の開幕7連勝中の強力攻撃陣が東海大に襲いかかり、このセットを25-10で奪取した。

それでも、第2S以降は宮部愛が奮起。アタックとサービスエース2本で序盤にチームの5連続得点を引き出し、Vリーグ7戦で「失セット0」の姫路を、一時はリードした。姫路が25-21でこのセットを取ったものの、続く第3Sも一進一退。宮部愛と1年時から対角を組む佐々木遥子のサービスエースや自身のアタックなどで、先に東海大が20点に到達した。

だが、姫路も終盤にかけて本領発揮。宮部藍のブロックやスパイクで22-22に追いつくと、最後は井上がスパイクを決めて30-28で勝利を決めた。

最高峰の舞台で実現した姉妹対決は姉が制したが、試合後は互いに健闘をたたえ合い、前を見据えた。試合後のあいさつで「たまたま」正面に立った妹と握手を交わした宮部藍は、「スパイク力の部分では大学生の枠にはとらわれない良い選手」と、実際にコート上で顔を合わせて感じとった選手としての“すごみ”を力説。「次に戦うときに自分もしっかりと胸を張ってコートに立てるように準備したい」と意気込めば、Vリーグ1部のJTマーヴェラスに加入が決まっている妹の愛芽世も「彼女はサイズだけじゃない。別のチームになるけど、いいところを盗んで今度戦う時は私が(ブロック)できるように頑張りたい」と宣言。ともに、トップリーグでの姉妹対決の続きを描いていた。【勝部晃多】