【北京=藤塚大輔】フィギュアスケートのジュニアグランプリ(GP)ファイナルで日本勢初の連覇を達成した島田麻央(15=木下アカデミー)が9日、北京・国家体育館で取材に応じ、快挙達成から一夜明けた心境を語った。

ショートプログラム(SP)2位で8日のフリーを迎えた島田は、冒頭でトリプルアクセル(3回転半)に成功。続く2本目の大技4回転トーループも決め、GOE(出来栄え点)で2・17点の加点を導いた。日本女子初の2本同時成功となり「連覇もうれしいですが、両方成功させたほうがうれしさが大きかった」と笑顔で振り返った。

「自分で決めたことはやり切りたい」という性格の持ち主。今大会も「2本挑戦して失敗するよりも、2本挑戦できなかったほうが自分にとって悔しい」と大技投入を決断した。

今は1日に練習が2枠あった時に「どちらでも降りられるように」と目標設定。2回とも成功する確率は「4割くらい」と明かし、「まだ他の(大技の)ジャンプを組み込むことは考えていなくて、まずは2つ安定して成功できるようにしたい」と思い描いた。

今月下旬には全日本選手権(12月21~24日)を控える。昨年はジュニアながら3位に入った。今大会で優勝すれば、憧れの浅田真央さんが初Vを達成した時の16歳を上回る。

「昨年よりも良い順位をとりたい」とにらみつつ「それよりも自分の演技でSPにトリプルアクセルを入れたり、2本そろえたりすることを目標としている。順位よりも納得のいく演技ができるようにしたい」と見据えた。

◆全日本選手権女子シングルの優勝者 最年少は34年の第1回大会を制した稲田悦子で当時10歳。戦後では72年の渡部絵美が13歳で制した。主要選手の初優勝時の年齢は、伊藤みどりが15歳、荒川静香が15歳、安藤美姫が16歳、浅田真央が16歳。