【北京=藤塚大輔】ショートプログラム(SP)3位で出た鍵山優真(20=オリエンタルバイオ/中京大)の初GPファイナルは銅メダルだった。フリーは今シーズン自己ベストとなる184・93点。合計288・65点で、滑走直後は暫定トップで表彰台を確定させていた。最終的には3位となった。

SPで首位のイリア・マリニン(19=米国)とは3・18点、2位の宇野昌磨(25=トヨタ自動車)とは2・30点差。100点台が3人並んだハイレベルな競演で、同じ北京で行われた22年冬季オリンピック(五輪)の銀メダリストが躍動した。

冒頭、得点源の4回転サルコーが2回転になるミスがあった。笑顔はなかったものの、それ以外はノーミスで切り替えた。宇野、マリニンには及ばなかったものの、復帰の1年で着実に上向いている。

この場に戻れたことを、まずは喜んでいた。昨季は故障でGPシリーズを欠場。8位だった全日本選手権後も休養に充て、4大陸選手権、世界選手権など国際舞台から遠ざかった。

今季はGPフランス杯で3位、NHK杯で優勝。GPファイナルは、新型コロナ禍の2年前も出場権をつかんでいたが、中止となって今回が初出場。勝負を楽しみ、またモチベーションに火がついた。

「去年、けがしたんですけど、それでもここまで戻ってこられた。やっぱり期待してくださる皆さん、コンディションなど、いろいろとサポートしてくださる皆さんのおかげ。こうやっていい結果を残して『素晴らしかった』と思ってもらえるような演技が、今シーズンできているのは、すごくうれしいです」

フリーでは今季の自己ベストとなる180点オーバーで、合計も300点に迫った。まだまだ構成は挙げられる。次の照準は全日本選手権(20~24日、長野)。手応えを胸に、初の日本一へ突き進む。