ノルディックスキー・ジャンプ男子の葛西紀明(51=土屋ホーム)が11日、札幌市大倉山ジャンプ競技場(ヒルサイズ=HS137メートル)で行われた雪印メグミルク杯の公式練習に参加した。1回目131・5メートル、2回目137メートルを飛んだ。2回目はヒルサイズと同じ距離で、その回最長だった。130メートル台の好飛躍をそろえても「失敗してもこれくらいはいけるけど、違う。これではW杯では戦えない」と満足していなかった。

3日に同じ会場で行われたTVh杯で優勝した。50代での制覇は国内外で話題となり「みんなから連絡が来た」と、たくさんの祝福を受けた。ポーランドほか欧州でもニュースとして取り上げられたが「みんな騒いでいたけど、全然。通過点なのに」と笑う。17日開幕のW杯札幌大会に向けて調子を上げており、さらに世界を驚かせるつもりだからだ。

国内大会連勝へ期待が高まる。理想の飛び出しまで「あとちょっと」と、調整を続けている。2日前の練習では一発で140メートル越えをマークして「あれが出たら最強」と手応えはある。4季ぶり予選突破を目指すW杯前最後の公式戦で、はずみをつける。【保坂果那】