【モントリオール(カナダ)=阿部健吾】坂本花織(23=シスメックス)が、ショートプログラム(SP)4位からフリーは149・67点の合計222・96点とした。残り3人の時点でトップに立った。

SPでは「練習通り」に苦しんだ。2本目の3回転ルッツ。踏み切る左足のエッジを傾ける角度で種類が違うルッツ(外向き)とフリップ(内向き)。どちらかが良ければ、片方は悪いという感触が続いていたが「それがもろに出た」と着氷が乱れた。

それでも、転倒や回転不足にならず回り切った踏ん張りはさすがで、大幅な減点は避けて、このフリーに望みをつないでいた。

2連覇を果たした昨季。「『終わり良ければよければ全てよし』みたいな感じで、去年は終わって」と振り返る。シーズン前半はモチベーションが高まらずに苦しみ、後半にようやく盛り返した、そんな1年だった。

「やっぱ満足できない」

そう感じ、シーズンオフにも状態、体重をキープした。アイスショーに出演する間も練習を頑張り、連続3回転ジャンプが跳べる状態を維持。SP、フリーも曲をかけて磨いていった。

「良いスタートダッシュを切りたい」。期して迎えた今季。国際大会は全勝して今大会に臨んでいた。